中国国家統計局が11日発表したところによりますと、中国の7月の社会消費額と工業生産高が持続的に伸びていると同時に、物価の下落傾向が見られ、マクロ経済の景気回復の土台が固まったことが分かりました。銀行の貸付縮小への憂慮から、投資分野ではスピードダウンの兆しが現れています。これが今後の景気回復にマイナスの影響を及ぼすのではないかと懸念されています。
11日に発表された統計局のデータによりますと、今年1月から7月までの小売業における社会消費額は去年同期より15%増え、成長率14%の目標を達成しました。うち、7月だけでも去年同期より15.2%増え、6月よりやや伸びているということです。
消費額が急速に増える中、工業生産高も勢いよく伸びています。中国国家統計局の李暁超報道官は同日の記者会見で「工業生産は3カ月連続で、そして、発電量は2カ月連続で伸びている。また、7月には、社会消費額の伸び率が上がり、不動産の取引もより盛んになった。製造業の購買担当者指数(PMI)は5カ月連続で50%を超えている」と述べました。
周知のように、中国の工業は国際金融危機からもっとも深刻な影響を受けていますが、ここ数カ月のデータから見ると、工業生産は徐々に回復する勢いを見せています。
7月には、39業界の生産高はいずれも去年同期より増えており、なかでも、交通輸送設備と化学製品の製造業や、鉱物製品の製造業が10%以上の成長率を達成しました。また、490種類の製品のうち、半分以上が去年同期より増えており、そのうち、自動車の製造は50%の伸び率で成長が最も早い業界とされています。
これに比べて、7月の国民消費価格と工業製品出荷価格はいずれも1.8%と8.2%下がりました。そして、CPI・消費者物価指数が持続的に下がっていることは、景気回復にプラスとなっています。
また、李暁超報道官は「価格は、去年同期と比べて下がる傾向にある。そして、下げ幅も拡大している。しかし、先月の同じ時期より上がる気配が出ている。7月のCPIは、6月と比べてほぼ横ばいの状態で、工業製品の出荷価格は4ヶ月連続で、前の月より上がっている」と話しました。
一方、銀行の貸付が縮小することへの憂慮から、中国投資分野の成長もスピード・ダウンしています。
データによりますと、1月から7月まで都市部では固定資産での投資は去年同期より32.9%増え、その伸び率は6月までの33.6%を下回っています。短期的に見れば、貸付への憂慮はしばらくの間、消費と投資に影響を与え、景気回復の妨げとなるでしょう。
これについて、中国の高官は「中国政府はマクロ調整の方向性を変えることなく、安定した経済成長を維持することを最も重要な任務としていく」との考えを示しました。(翻訳:コオリ・ミン)
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