EU・欧州連合の調停の下で、ロシアとウクライナは、ロシアからヨーロッパへの天然ガス供給について合意に至り、モスクワ時間13日午前10時から、ヨーロッパへのガス輸送が再開されました。しかし、EUの監視団が13日発表した報告によりますと、ロシアからヨーロッパに届いたガス輸送量は非常に少ないということです。これを受け、ロシアとウクライナは互いに非難し、天然ガス供給問題はまた新らたな問題に直面しています。
ロシアとウクライナが2009年のガス価格交渉などをめぐって合意を見ないため、ロシア天然ガス独占企業「ガスプロム」は1月7日からウクライナへの天然ガス供給を停止し、ウクライナ経由の天然ガスに大きく依存するヨーロッパ諸国に深刻なガス供給危機を招きました。
これを受け、EUは介入姿勢を強め、EU議長国・チェコのトポラーネク首相はウクライナのキエフとモスクワを行き来して、事態の解決を図りました。EUの調停の下でロシア、ウクライナ、EUは11日、三者協議を開き、合意に至りました。しかし、ロシアのメドベージェフ大統領は当日「三者が署名したウクライナ経由のパイプラインによるガス搬送状況を調査する国際監視団を創設するための合意文書の中に追加条項があったため、 この追加条項の削除に合意しない限り批准しない」と明らかにしました。その後、EUの調停の下で、3者は追加条項を削除した合意文書に再び署名しました。ロシアはモスクワ時間13日10時からウクライナ経由の天然ガス供給を再開しました。
しかし再開後数時間で、ロシア側は「ウクライナがガスパイプラインを閉鎖しているため、ロシアからヨーロッパへのガス輸送が滞っている」と非難しました。一方、 ウクライナ側はガス輸送の停止を認めた上で、「ロシアは従来とは違うパイプラインにガスを送り込んだ。これはウクライナ東南部へのガス供給が停止することになる」とした上で、ウクライナは従来のパイプラインの再開を求めました。しかし、ロシア側はウクライナ側の要求を拒否しました。これによって、ウクライナを経由しロシアからヨーロッパ向けのガス輸送は再び難局に陥りました。
この後、EUの調停の下で、ロシアとウクライナはガス輸送問題について合意を見ましたが、二国間での争いは依然として続いています。専門家は「この問題の直接的な原因はロシアとウクライナが2009年のガス供給をめぐる契約にまだ調印していないことにある。また、この問題の解決のため、まずガス価格、債務といった問題を解決しなければならない」としました。しかし、ロシア側が1000立方メートル当たり450ドルというの新しい価格を主張していることが最大の障害となっています。今後も双方の交渉は激化することになるだと見られています。
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |