メキシコで発生した新型インフルエンザの感染が世界中で広がっています。現在のところ、すでに10ヶ国でこの新型インフルエンザの感染例が確認され、そのうち、メキシコとアメリカでは死亡者も出たということです。WHO・世界保健機関はその警戒水準を「フェーズ5」に引き上げました。各国が相次いで措置をとり、新型インフルエンザの感染拡大に強く警戒しています。
メキシコ衛生省が28日夜発表したところによりますと、感染の疑いがある患者が13日初めて死亡してから、全国での死亡者はすでに159人に上りました。アメリカで感染が確認された患者数も91人に上り、その内1歳11ヶ月になるメキシコの幼児1人が死亡しました。これにより、アメリカは新型インフルエンザによる死亡者が出た二番目の国となりました。そのほか、カナダ、ニュージーランド、イギリス、ドイツ、イスラエル、スペイン、オーストリア、コスタリカなどの国でも感染例が確認されました。
一週間の間に、新型インフルエンザはメキシコ、アメリカから10カ国に蔓延しました。世界保健機関のマーガレット・チャン事務局長は29日、新型インフルエンザの警戒水準をフェーズ4からフェーズ5に引き上げたと発表しました。
ウィルスの広がりに対して、世界各国と国際機構が予防措置を講じています。情勢が最もひどいメキシコでは、カルデロン大統領は26日、全国を10日間の衛生緊急状態と決めました。27日から、全国の学校、大学、幼稚園などは、休校となっています。首都メキシコシティーはすでに25日から、博物館や映画館などの公共の場所を閉鎖しています。これらの措置のおかげで、メキシコ衛生相は29日、感染死亡者の増加はもう緩和していると強調しました。また、アメリカのオバマ大統領は28日、薬品の備蓄、ワクチンの開発など新型インフルエンザ対処のため、15億ドルの特別資金を国会に要請しました。EU・欧州連合は29日、衛生相特別会議を開き、新型インフルエンザによるEUへの脅威や、対応策について見当しました。
専門家は、情報の共有は疫病対処の鍵となると指摘しました。メキシコは、アメリカ、カナダ両国と協力メカニズムを作り、3ヶ国の衛生官僚と専門家は、定期的な会見を行い、情報交換を行うことを決めました。国連食料農業機関とパンアメリカン保健機構は、メキシコに専門家チームを派遣し、感染拡大の予防に取り組んでいます。中国外務省の姜瑜報道官は29日、「中国政府がメキシコに500万ドルの人道支援を提供するとともに、SARS対処の経験を伝える」と発表しました。
国連のパン・ギムン事務総長は29日、「新型インフルエンザは世界規模の問題となっており、国連などの機構を含める国際社会は協力を強化し、共同活動を取るべきだ」と呼びかけました。また、パン事務総長は、国連は各国の疫病予防に全面的な支持を提供すると約束しました。
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