そして、ホウ清・トウ健組も国際的なレベルを持ち、W杯で優勝したこともあります。ペアについては、今大会でなんと金、銀、銅全てのメダルを中国勢が総なめにするという結果となりました。
続いては、やや苦手だといわれていたシングルスですが・・男子シングルスは国際レベルからはかなり遠いといわれていましたし、女子は、五輪で2度メダルをとった「氷上の蝶」ともいわれる陳露が引退した後、低迷が続いていました。ただ、今回のアジア大会は、男子シングルスで金と銀、女子シングルスで銅メダル、またアイスダンスでも銀と銅を獲得して、メダル数では、アジア一の日本を上回りました。
姚濱総監督は、やはり男子シングルスの金メダルをもっとも重視しています。3日の男子シングルスフリースタイルで中国の徐銘が完璧な演技を見せ、規定の演技とあわせて194.19分で優勝しました。それに同じく中国のベテラン李成江が2位、日本の中庭健介が3位となりました。この姚濱総監督は、徐銘について、こう語っています。
「国際舞台の経験が少ない徐銘がプレッシャーのかかるこの試合で金を取れたことは大きかったですね。彼は日本の中庭選手とは一緒に試合に出たことはありませんが、テクニックでは上の李成江がこの前のNHK杯で中庭選手に敗れました。その中庭選手を破っての金メダルは価値がありますね。」
ただその徐銘自身は、今回の成績について冷静に分析しています。
「大会で優勝できたことはうれしいです。ただ、まだまだ多くの課題があるということを実感しましたね。技の難度もまだまだですし、演技力、音楽に対する理解など、いずれも世界のトップ選手とはずいぶん差があると思います。次に向けて目標ができた大会となりました」
さて、フィギュアスケートで、中国が最も苦手な種目はアイスダンスです。アイスダンスというのはフィギュアうちの一種目で、男女一組で、ジャンプではなく、ダンスを主とした演技で競います。現在はロシアが世界のトップを走っています。
中国の国際大会での成績は20位くらいと決して高くはありません。ただ今回のアジア大会では、1位はまた日本に譲ったものの、中国勢が2位、3位、4位にはいって、潜在力の高さを見せました。
ここ10年間、中国スケート協会は、フィギュアスケートの普及と宣伝に力を結構いれてきました。フィギュアスケート強国のヨーロッパから積極的に学び、外国人コーチを招いて、その指導に従ってきました。ただ、日本も含めてアジア全体のレベルが、まだまだという部分もありますから、今後、2011年、バンクーバーで開かれる冬季オリンピックまであと4年間・・強化を続けていくということになります。
外国に積極的に学んでいく・・という方針は今後も維持して、4年後はフィギュア初の金メダルを目指す・・これが今の中国フィギュアの目標です。(文章:王丹丹 02/12) 1 2
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