西寧まで来ると、もう言葉が全く別の言葉になっていて、全く聞き取れない。夜になって冷たいビールでも飲もうと思って、タクシーに乗って"酒バー"へと言ったら、何か聞き返してきた。始めは何を言っているのか分からなかったが、どうも"紅灯的"なのか"一般的"なのかと聞いているみたいであった。ここで直ちに"一般的"と答えたが、 多分"紅灯"のほうは怪しげなところだと思い付いた。"紅灯"と言う文字を思い付けば、これはやはり怪しげな所だと思う。
肝心の冷たいビールであるが、冷えたビールがあるかどうか確認して入ったのに、そしてビールの小瓶が14元もするのに、氷をコップに入れて持ってきた。これをどうするのか聞いたところ、このコップの中にビールを入れるのだと言うので、ビールのオンザロックなど飲めたものではないから、憤然として店を出た。冷えていないビールならば他の店では大瓶が2元位で飲めるのに、小瓶で14元で冷えていないビールなどとても飲む気になれない。
西寧では私が泊まったホテルでも、他のホテルでも冷えたビールはなかった。これは仕方が無いことであるが、冷えたビールが有るかどうか確認したのに、有ると言って、冷えていないビールを出すのは、何と行っていいか、どうも・・・・
店の構えは、エッチングの画が掛かっていたりして、良い感じの店であったのだが。
ビールが冷えていないからといって、飲まなかったかわけではない。毎晩"夜市"でビールを飲んでいた。"夜市"は屋台の店が並ぶ所で、飲み屋ではないが、"羊肉串"という羊の焼き鳥や、麻辣湯(下に火の字がある)や、焼き餃子の店が屋外にずらっと並んでいて、夜はとても賑やかなところであった。
"大漢焼羊肉"と暖簾がある店では、本当に大男のおじさんが羊肉を炙っていた。ここには三日も通ったので顔を覚えられ、"又来たのね"などとおばさんの方は愛想が良かった。私が特別なのは、このような所に一人で行くので、目立つのかもしれない。一人の客は多分私だけあった。隣の看板は"肥ったおばさんの焼き餃子屋"とかかれていた。餃子を焼いているおばさはほんとに小太りであった。
"大漢焼羊肉"の店で冷えていないビール一本と、羊の串を6本くらいと、隣から、野菜やジャガイモをマーラータン(辛いタレで煮たもの)を取り寄せて、それで10元(150円)であった。ビールの小瓶の値段と比べみて下さい。5日間の夜は全て小吃(チャンとしたレストランではないところ、屋台のような店)であった。
ここの言葉は全く通じない言葉であるが、ホテルの前に待機している運転手は普通語を話すので、問題はなかった。タール寺に行くときに、ある運転手の車をチャーターしたら、言葉が良く通じたので、翌日もこの運転手に頼むことにして、濁っていない黄河を見に行くことにした。そうしたら、運転手が言うには一つの提案があるのだがと言い出た。翌日、妻と子供をタクシーに乗せて行って、一緒に観光をしていいかとの話であった。勿論同意して、翌日は黄河を見に行った。
昨年の旅行では、同乗者が断りもなしに、突然現れたので、少しむっとしたが、今回はそうではなかった。この夫婦の会話は普通語を話しているようであった。子供は小学校二年生の女の子でかわいい子だった。奥さんの勤めていた会社は全員が"シャーガン"(休職状態)になり、今は仕事が無いないとのことであった。運転手の方は、一日に15時間も働くとのことで、自動車は自分で買ったとのことであった。この運転手はスピードは出さないし、うるさく収入などのことは聞かないし、感じの良い運転手だった。それで最後の日に、飛行場に送ってもらうまで、合計4日間もお願いすることになった。
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