芙蓉鎮に行くには、猛洞河と言う駅で降りて、駅の下にある船着場から、船に乗って行かなければならない。芙蓉鎮はそこから猛洞河を一時間弱遡って行ったところにある。後で聞いてみたら船以外の交通手段は無いとのことであった。陸の孤島みたいなところである。
芙蓉鎮のほんとの名前は王村である。映画"芙蓉鎮"の舞台となったところなので、"芙蓉鎮"とも言われようになった。映画"芙蓉鎮"のお陰で、観光地としてやっていけるようになったらしい。船を下りると、船着場から上の村まで急な坂があり、その坂に沿って食堂や、古い民家やお土産屋が並んでいた。芙蓉鎮名物の"米豆腐"の店も勿論あった。米豆腐は映画"芙蓉鎮"にも登場した食べ物で、葛粉で作ったつるっとした食べ物で、どこからかひねり出したような形をしている。主食の様で、朝これを二回ほど食べたが美味しかった。
芙蓉鎮の下には猛洞河と言う、とうとうと流れる大河があり、透明度は3メートルくらいあった。深さはかなり深そうである。下流にダムでもあるのだろうか。地図で見ても分らなかったが、中国の地図はかなりいい加減だから本当はあるのかもしれない。
船着場のすぐ側に倉庫のような映画館があり、"芙蓉鎮"という映画を毎日やっていた。観光客のためのものだろう。"芙蓉鎮"と言う映画は、文化大革命の頃のことを、かなり批判的に描写した映画である。女主人公は商売に熱心で、小金を貯めて隠していたのが発覚して、毎日、芙蓉鎮の坂道を掃除させられることになってしまった。それがなんと十年も続いた。
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