0912综合
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一時間目は、世界遺産に登録された貴州省の荔波カルスト地形をご紹介します。
貴州省の世界遺産、荔波カルスト地形
世界自然遺産に登録された荔波は、「カルスト王国」といわれる貴州省南部の荔波県に位置します。1200段の石段を上がって茂蘭国家級自然保護区涼水井風景区の展望台に登ると、カルストの景観である円錐状カルスト、そしてもっとも典型的なカルスト地形の峰叢カルスト、峰林カルストが目の前に広がっています。
貴州省の省都・貴陽市から東南へ300キロ離れた荔波県にやってくると、まるで緑の王国に迷いこんだかのようです。
荔波世界自然遺産地域は茂蘭国家級自然保護区及び樟江国家級風景区にある大七孔橋、小七孔橋観光区を含む7万3016ヘクタールです。そのうち、茂蘭国家自然保護区は、世界の同緯度地域で唯一、地質状況が比較的安定し、密集したカルスト原生林があり「地球のベルトに輝くエメラルド」と言われています。ここには4000種以上の動植物が生息し、亜熱帯カルスト地域における生物多様性をもっともよく保ってきた場所となっています。
大七孔観光区内には、1847年に建てられた七孔橋という有名な石橋があります。峡谷にある方村河は、波が逆巻くところもあれば、カルスト鍾乳洞の中に流れ込む見えない伏流河となることもあります。峡谷を奥へ1500メートルほど進んだところに、典型的なアーチ型のカルスト地形・天生橋が高さ60メートルの峡谷の両岸に跨っています。幅30メートルの天生橋のてっぺんからは、様々な形の鍾乳石がぶらさがり、橋脚と橋の本体の裂け目には灌木や藤が伸びています。天生橋の下を流れる河の水は、河底の変化によって2メートル以上の落差の滝を形成しています。人々は冗談交じりに、ここを「東方の凱旋門」と呼びます。
大七孔同様、小七孔観光区も清の道光年間に建てられた石橋によって広く知られています。幅1キロ、長さ12キロの狭い谷には、文化的景観及び洞、林、湖、滝、石、水などさまざまなカルスト景観が混在して分布しています。銅鼓橋、小七孔橋、涵碧潭、拉雅瀑布、68段滝、野鴨池、亀背山、飛雲洞、野猪林、水上森林、天鐘洞、臥龍潭など、一度には見きれないほどたくさんの見どころがあります。
小七孔橋は長さ25メートルのアーチ型の橋で、かつては荔波県と広西チワン族自治区をつなぐ重要な道路でした。現在、橋には緑の藤の蔓やシダ植物がびっしりとからみつき、橋の下の涵碧潭は青々と澄みきった水をたたえています。180年あまりの間に幾度も洪水に見舞われながら、この小さな橋が昔のままの姿を留めていて、この地に暮らす先祖たちの知恵を示しています。
小七孔橋を離れてさらに南西へ200メートルほど進むと、ザーザーと流れ落ちる水の音が近づいてきます。涵碧潭の上流1600メートルの谷では、響水河の河底が高低差のある階段状になっています。河の水が注ぎ込み、「六十八段瀑布」と呼ばれる68段の滝と激流の瀑布群の景観をなしています。遠くから眺めると、滔々たる豊かな水流の勢いがまぶしく、近くにゆくと、霧状の水しぶきのさわやかな涼しさが顔をなでます。「六十八段瀑布」のそばに、30メートルの高さから流れ落ちる拉雅瀑布があります。プイ(布衣)族の言葉で「拉雅」は「甘く美しい天然水」を意味します。この2つの滝が立体的な絵を織りなしているのです。
長さ600メートルの水上森林は仙境とも呼ばれています。河や谷には灌木や高木が生い茂っています。長い歳月を経て、水に侵食されてきた河底にはもはや土砂はありません。しかし不思議なことに、そこに生えている植物はすべて、「隙間に針を挿す」ようにつるつるした石に根を下ろし、「水が石の上を流れ、木が水の中から生えている」そんな景観を形成しています。森の中を進む観光客は、藤をまたいだり水を越えたりしながら、格別な涼しさと趣を体験することができます。
荔波には数多くの少数民族がいます。茂蘭カルスト自然保護区では、シュイ族、ヤオ族、プイ族などの少数民族が人口の90%を占めます。歴史ある生産と生活は、輝かしい民族文化を育み、古式ゆかしく神秘的かつ独特な自然と文化的な景観を形成してきました…
二時間目は、貴州省の観光地(黄果樹瀑布)とグルメ(酸湯魚)
荔波の地形や気候などの基本情報をご紹介します。その後、荔波へのアクセス方法などをご紹介します。その次は、貴州省の一番有名な観光地、黄果樹瀑布をご紹介します。さらに、現地の代表料理、酸湯魚をご紹介します。ぜひお聞きください。(任春生)
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