湖南省汝城県、ヤオ族の風習を楽しもう
湖南省の郴州市汝城県は、湖南省、広東省、江西省といった3つの省の境にあります。ここには、漢民族、ヤオ族、畲(シェ)族、ミョオ族、トン族など27の民族がいます。ヤオ族と畲族は、先祖代々ここに住む民族で、人口が一番多いのはヤオ族です。
ヤオ族は性格が勤勉、勇敢で、歌や踊りが上手な民族であり、客をもてなすのが好きな民族です。ヤオ族には長い歴史があり、豊富な文化を持っています。民族特有の言語、独特な民族風習、民間工芸品作りの技術があります。ヤオ族に伝わる多彩な文化を見ることができます。とりわけ「香火竜」という踊りは、国家無形文化遺産に登録され保護されています。このほか舞春牛という踊り、製紙技術など23のものが省や市の無形文化遺産に登録されています。2008年汝城県は国家文化省によって「中国民族文化芸術の故郷」に指定されました。
現地のヤオ族の民族風習について、汝城県観光局の劉輝局長は、「新年や祝日になると、ヤオ族の人々は香火竜や舞春牛などの踊りを踊って、一年の豊作を祈ります。それから、それぞれの地域に住んでいるヤオ族は独特な風習を持っています。例えば、刀で作った梯子に登ったり、燃えている炭の上を歩いたりします。特別な訓練を受けた人しかできないものなんです。観客はみんな驚きますよ」と紹介してくれました。
ヤオ族の人々がみんな歌うのが上手です。決まった歌詞はなく、即興で歌います。現地の村人、黄石章さんが歌を披露してくれた後、「われわれヤオ族は、疲れたときに、よく民謡を歌うんです。歌った後は、気持ちがほぐれます。また、家庭内の問題に悩まされて、ストレスを感じた時も歌を歌えば、解消できます」と語りました。
汝城県は湖南省の歴史と文化にゆかりのある町です。伝説では、中国人の先祖、神農氏がここで田畑を耕したことがあると言われています。紀元1041年から1044年まで中国の有名な詩人、周敦頣がここで「愛蓮説」などの有名な詩歌を書き残しました。今、周敦頣の記念館があります。宋の時代の建築スタイルをまねて造られた記念館には多くの観光客が足を運んでいます。
また汝城県には、明、清の時代の建築スタイルで造られた祠が700ヵ所も残されています。600年前に建てられた祠は、幾たびも修復され、明の時代の建築スタイルを今に伝えています。建築のほか彫刻品、石碑などの文化も見ることができます。これらの文化財は、当時の政治、経済、文化、建築レベルなどを教えてくれる貴重なものです。2009年10月、汝城県政府は、一群の祠を全国重点文化財に申請しました。
祠は観光対象だけではなく、現地の古代文化、建築、民族習慣、宗教、法律、住民の変遷などを研究する上で重要な研究対象でもあります。これについて、汝城県文化局の陳建平局長は、「祠というのは、2つの役割を持っています。一つはその家族の輝かしい歴史を示します。もう一つは、子孫を励ますということです。そしてここは一族の人々が共に人生のイベントを行う場所でもあります。例えば、祖先を祭ったり、結婚式や葬式をおこなったり、重大な問題について議論したりするのです。このような理由があったからこそ祠は今日まで残ったのです」と語ってくれました……(任春生)
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