中国江蘇省の蘇州には美しい湖、太湖の湖畔に、そして大運河のほとりに1000年の歴史を持つ旧い町、同里があります。毎年多くの国内外の観光客がここを訪れ、江南水郷の町、川にかけられた橋、流れる水、古代建築を楽しみます。特に、悠久の歴史、伝統的な行事、美味しい料理などが観光客を魅了しています。今日の番組では、この江南地域の1000年の町をご紹介します。
同里は江蘇省の蘇州にあります。中国の行政単位の中で、省、市、県に次ぐもので、鎮つまり町に当たります。この町は四面を水に囲まれ、周辺には、5つの湖があります。町の中を15本の河が流れ、町はまるで7つの島のようです。町は水路に沿って建てられ、建物もほとんど河の畔に建っています。住民の家もほとんど川沿いにあり、出かける場合は船に乗って行き来します。このように、町には川が多く、橋も多いという江南水郷独特の風景をつくっています。
それぞれの河の畔には、石造りの埠頭と日本の鳥居に似た建物、牌楼があります。町の建物はほとんどが黒い瓦と白い壁の建築物ですが、中には木造の建物もみられます。これらの建物に使われたレンガや木材には彫刻が施され、非常に美しいです。
国連アジア太平洋地域世界遺産養成・研究センターで副主任を努める上海同済大学の建築・都市計画学部の副学部長、周倹教授は同里の民間住宅について次のように評価しました。
「この旧い町はスケールが大きいです。建築の視点から見れば、一つの大きな特徴があります。それはレンガ彫刻が嵌められた牌楼です。レンガ彫刻にはいろいろな物語が描かれています。山、花、鳥などを描いたものもあれば、三国志などの古代の物語、祝福と願いなどの縁起のいいものもあります。二つ目の特徴は、住民は家の屋上と庭で草、花などを栽培しています。時には小さな築山を作る家もあります。このような緑いっぱいの住的環境にいると、リラックスでき、心身ともに癒されます」同里という町には明の時代と清の時代の建物が多く残っています。中には昔のお金持ちの屋敷、邸宅もあります。退思園はその中でも優れた邸宅です。退思園は2000年にユネスコ世界文化遺産リストに指定されました。
この邸宅は夏が一番おすすめです。中に入ると、すぐ涼しさを感じられます。木造の扉、窓、梁、縁には全て木の彫刻が嵌められ、その中には伝説、山水、花、鳥などの縁起のいいものが描かれています。退思園は素朴ながらも、職人たちの思いが感じられる邸宅であり、独特の雰囲気を醸し出しています……(担当:任春生)
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