中国南西部の山の奥には、馬を足とした古代の国際貿易通路があります。それは、有名な茶馬古道です。茶馬古道の起源は古代の雲南省、四川省とチベットの間で、お茶と馬を売買する市です。この市は、唐の時代と宋の時代に出現し、明と清の時代に最盛期を迎えました。四川省からチベットまでと貴州省からチベットまでという2つのコースがあります。主に、中国南部の雲南省と四川省にあるお茶の生産地から山々と峠を越えて、チベットのラサまで行き、四川省、貴州省、チベットをつなぎます。さらに、チベットからブータン、ネパール、インドを経由して西アジアなどの国々まで伸びていました。この古代の国際貿易通路は、今では世界でも自然風景が素晴らしく神秘的な観光コースとなっています。
上里鎮は四川省雅安市の雨城区の北部にあり、市内から27キロ離れた場所にあります。この町の住宅は、明と清時代を代表する建築スタイルで建てられています。この町は山の麓でもあり、河のほとりにある街でもあります。また、平野を望み、周囲には竹林があり、渓流が流れています。渓流には橋がかけられ非常にきれいです。空中からこの町を見下ろせばこの町は井戸の井という漢字の形をしていることがわかります。なぜ、このような形につくられたのでしょうか。実は古代の木造建築は、火災に弱なかったため、井戸の水が火災を防ぐという意味を込めて、井という漢字の形に町がつくられました。
明の時代から上里鎮には、代々続く韓、楊、陳、許、張という五つの一族が住んでいました。楊氏一族の第22代の子孫、今年73歳の楊寄全さんに会うことができました。楊さんは楊氏一族のことを紹介してくれました。
「楊氏の先祖は最初は、お茶の商売をしていました。当時の店の名前は、玉興号で、作ったお茶は四川省の甘孜地域に運び、最後はチベットに運んでいきました。お茶の販売で設けたお金で、楊氏の子どもたちは塾に通い、多くの人は官吏登用試験に合格して、政府の役人となりました」
5大名家のうち、韓氏の邸宅は昔のまま保存されています。建物は木造で、その梁、屋根、窓にはいろいろな彫刻や絵などがあり、非常にきれいです。かつての韓氏一族の財力が伺えます。
この古い町の石畳の道を歩きながら、さっき聞いたばかりの5大名家の子孫の話を思い起こせば、当時この町が栄えていた様子がはっきりと頭の中に浮かんできます……(担当:任春生)
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