10億年前、地球にはまだ人類は誕生していませんでした。現在、江西省の三清山と呼ばれる山は、かつては、まわりを海で囲まれた島でした。
8.5億年前、三清山の前身だった島の近くの2つのプレートがぶつかり、この島は隆起して、山々となりました。その後、数億年を経て、三清山は今の美しい姿になりました。
2008年、三清山はその独特な地質構造と自然風景が評価され、ユネスコの「世界自然遺産」に指定されました。三清山景勝地管理委員会の鄭小芳副主任は、次のように話してくれました。
「三清山は江西省上ギョウ市の東北部にある山です。今、計画されている景勝地の面積は756平方キロメートルで、実際に管理している部分の面積は229.5平方キロメートルです。三清山は数億年の地質進化の歴史の中で、今の険しくも、美しい風景が形成されました。最高峰の玉京峰の海抜は1819.9メートルです」
三清山は花崗岩でできていて、自然の力でさまざまな形がつくられました。想像力を働かせると、それぞれの石の柱、峰は、動物や人間の姿のように見えます。三清山景勝地管理委員会の李華宣伝部部長は、次のように語ってくれました。
「今見えている岩は人間が琵琶を抱いて弾いているようではありませんか。私たちの後ろに聳え立つ峰は観音様が座っているようでしょう。この二つをあわせてみますと、観音様が琵琶の曲を聴いているようでしょう。このことから、この観光スポットは、琵琶を聞きいる観音様という名前がついています」
1600年前、三清山は道教の人々に好まれました。実は三清山という名前は道教に由来しています。この名前の由来について李華部長は、次のように紹介してくれました。
「なぜ三清山と呼ばれるようになったのか。その由来についてですが、まずはこの山の最高峰は玉京峰といいます。隣の2つの峰は、一つは玉虚峰、もう一つは、玉華峰という名前で呼ばれています。この3つの峰は高さがほぼ同じで、まるで道教の中の、玉清、上清、太清といった最高レベルの神様が峰に座っているようです。このことから、三清山という名前がつけられました。このため、三清山は道教の名山で、道教とのかかわりは1600年前の東晋という時代まで遡ることができます。今も、三清山の北側には道教文化の遺跡がたくさん残っています」……(担当:任春生 吉野綾子)
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