太極拳は中国で発祥した武術のひとつです。柔らかく、力強い動きが特徴です。太極拳は本来は身を守るための武術ですが、体質を改善するなど病気の治療にも役立つ効果があります。国民の健康増進のため、1949年新中国が成立してから、中国国家体育運動委員会が太極拳を普及しました。元々は武術なので、誰でもできるというものではありません。そのため、本来の太極拳を元に健康づくりのための簡略化した太極拳が作られました。

　陳家溝村に伝わる、陳一族と村を守るために脈々と受け継いできた護身術の陳氏太極拳の起源ははっきりしていませんが、民間では明の時代からだといわれています。

　今は、太極拳にはいろいろな流派があり、陳派、楊派、呉派などがあります。でも陳家溝で発祥した太極拳は、すべての流派の源流だそうです。後継者が常に太極拳を完全なものにするために努力を惜しまず、太極拳はいまだに進化しています。太極拳に哲学思想や医学的知識も込められているため、体験できる百科事典みたいです。

　河南省の陳家溝への行き方：飛行機で河南省の中心都市、鄭州まで来て、ここから列車かバスに乗って陳家溝へ移動します。

　成田国際空港から鄭州までは、一番速いものは経由便で6時間30分。また北京から鄭州までは飛行機で1時間半、上海からも1時間ほどです。（担当：任春生　吉野綾子）