河北省の承徳は、北京の西南方向に位置し、北京からの距離はおよそ230キロです。承徳に、二つの世界遺産があります。それは避暑山荘と小ポタラ宮と呼ばれる外八廟です。

　承徳は、地理的条件から夏でも涼しかったため、明、清の時代から皇帝の避暑地として使われており、中国最大の夏の離宮です。現代でも避暑と観光の人気スポットになっています。

　この避暑山荘、規模が非常に大きいです。総面積は564万平方メートルで、故宮（紫金城）のおよその8倍です。これだけの規模のものを作るのになんと89年かかっていました。1703年に着工し、清の時代の3代の皇帝が心血を注いだものです。この広大な敷地に120あまりの建築群を建てました。これらの建築群を見るのは一日では無理です。そのため、見所を抑えて見学するのはお勧めです。まず、この避暑山荘は、宮殿区と庭園区の二つの部分にわかれています。

　宮殿区は、全体が博物館のようで、貴重な文物がおよそ2万点あります。実際に政治をとりおこなった場所、寝ていた場所などがみられ、当時の皇帝の生活がよくわかります。

　庭園区は、湖あり、山あり、高原あり、夏の時期に見学するのはおすすめです。また、清の時代の皇帝たちが、ここで中国各地の美しい風景を再現させています。（担当：任春生　吉野綾子）