北京オリンピックの聖火リレーが7日、フランスのパリで行われましたが、チベット問題などを口実にした激しい抗議活動が行われ、コースが短縮されるなど、大混乱に陥りました。その中で、一部の人は聖火ランナーを襲ったり、トーチを奪ったりしました。車椅子に乗った上海出身の女性ランナーまで、髪や服がつかまれたり、腕を引っ張られたりしました。
その後、フランスの「フィガロ」紙は第一面に「聖火リレー、フランスで大失敗」というタイトルの記事を掲載しました。また全国紙「リベラシオン」は「中国にぴんたを食らわした」とする報道を行っています。
今、聖火リレーの妨害事件に端を発したフランス製品の不買運動が、中国全土に広がっています。フランス系大手スーパーの大株主がダライ・ラマに巨額の資金援助をしている疑いがあることを理由に、このスーパーに対するボイコットとフランス製品の不買運動が展開されているものです。
北京市民の中には、「これからほかのスーパーで買い物する」と不買運動に賛成する人もいますが、「今の外資系企業はすべてローカル化しており、結局中国人の従業員や企業が被害を受ける。ほかのやり方を通じて批判したほうがいい」と冷静な見方をする人も少なくありません。
続きまして、聖火リレーの関連情報をお伝えします。
北京五輪の聖火は今、12番目の都市であるタイの首都バンコクに入っています。
この一週間、五輪の聖火はオマーンの首都マスカット、パキスタンの首都イスラマバード、インドの首都ニューデリーを通過してきました。この様子を振り返ってみましょう。
14日朝、聖火がオマーンの首都マスカットに到着し、海外9ヶ所目のリレーが始まりました。オマーンでオリンピックの聖火リレーが行われるのは今回が初めてです。マスカットでの聖火リレーは3時間あまりにわたって行われ、80人の聖火ランナーが参加し、およそ20キロを走りました。マスカットの次はパキスタンの首都イスラマバードです。イスラマバードが五輪の聖火を迎えたのは今回も初めてです。
北京オリンピックの聖火が現地時間16日未明、パキスタンの首都イスラマバードに到着しました。パキスタンでの聖火リレーは現地時間の午後4時からスタートし、65人のランナーが参加しました。このリレーに先立って、3人のランナーが北京放送の記者のインタビューに答え、聖火リレーに対する期待を語りました。
サミウラ・ハーンさんは今年57歳、パキスタンの有名なホッケー選手で、元国家チームの監督でもあります。今回、聖火ランナーに選ばれたことを、サミウラさんは非常に喜んでおり、「私はとてもラッキーである。私の娘たちもきっと誇りに思ってくれるだろう」と語りました。
サミウラさんはかつて、広東省の男子ホッケーチームの監督を務めたことがあります。中国での生活を振り返って、サミウラさんは「2001年に広州に滞在したことがあった。私が監督を務めた広東省のチームはその後、中国の第九回全国運動会でチャンピオンになった。中国の皆さんはとても親切だったが、中華料理にはなかなか慣れなかった。でも、中国での暮らしはとても楽しかった」と話しました。
もう一人の聖火ランナー、ハサン・サルダールさんもホッケーの元選手で、オリンピックで優勝したことがあります。彼は「中国はパキスタンの隣国である。パキスタン人は、隣国の北京で五輪が開催されることを誇りに思っている。今回の聖火リレーに全力をあげて協力していく」と述べました。サルダールさんは、また次のように話しました。
「聖火リレーに参加できることは、私にとって光栄なことである。私はオリンピックに参加し、金メダルを獲得したことがある。最も重要なのは、今回の五輪が中国で行われることである。これによって、世界中に、中国は平和を愛する国であり、パキスタンは中国の友人だというメッセージを伝えることができる。これを誇りに思っている。だから、精一杯頑張る」とサルダールさんが話しました。
パキスタンでの聖火リレーの最後のランナーはジャハンギル・ハーンさんです。彼は世界で最も優れたスカッシュ選手の一人でした。ジャハンギルさんは世界選手権で6回、最も権威あるイギリスオープンでは10回優勝しています。この記録を破った人はいまだにいません。なお、ジャハンギルさんは2002年から、世界スカッシュ連盟の会長に就任しています。
ジャハンギルさんは、「これは、私と私の国にとっても、大きな名誉である。聖火がパキスタンを訪れるのは今回が初めてである。私が携わっているスポーツは五輪の種目ではないが、今回の聖火リレーのランナーになれたことをうれしく思っている。この一瞬は私の人生で最も輝いている瞬間になるだろう」と語りました。
また先ほど最初に紹介したサミウラさんは、8月の本大会について、次のように話しました。
「北京オリンピックはきっと大成功だろう。中国人はとても勤勉で、まじめである。だから、中国は世界で、経済が最も順調かつ急速に発展するのだ。中国政府、国民と北京オリンピック組織委員会に祝福の意を表すとともに、北京五輪の成功を祈っている。そして中国選手の獲得するメダル数がより多くなるよう祈っている」とサミウラさんが述べました。(文:KH) 1 2
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