中国社会科学院が4日発表した2008年の経済青書によりますと、今年の中国のGDP成長率は11.6%に達するものの、来年はやや下って11%近いレベルになると予測しています。また、CPI消費者物価指数の伸び率は今年は4.5%となる見込みで、来年はやや下降するものの、4%に達するだろうと予測しています。
社会科学院がこのほど出版した『2008年中国経済情勢の分析と予測』(社会科学文献出版社)と題した経済青書によりますと、今年の中国経済は過熱の傾向を見せており、マクロ規制の難しさが増しています。このため2008年は、消費財価格と資産価格の過度な上昇に対するコントロールや、インフレ圧力の緩和、物価レベルの安定化をマクロ規制の第一の課題に据えるべきだと提言しています。
経済青書はまた、2007年には、豚肉の価格上昇をきっかけに、消費者物価が予想を上回る大幅な上昇を見せたと指摘しています。2007年、CPIと小売価格の上昇幅はそれぞれ4.5%と3.8%に達する見込みです。一方農民一人あたりの純収入の伸び率は8.5%になり、ここ2年の伸び率より一段と高くなる見込みです。また、2007年の貿易黒字は前の年を上回り、2600億ドルという過去最高のレベルを記録することになります。
2008年のGDP成長率について青書は、マクロ規制の影響を受けてやや下降するものの、11%近いレベルを維持することになるとしています。さらに、2008年のCPIと小売価格の伸び率は、それぞれ4%と3.5%に今年よりやや下がるものと見ています。青書は、物価の過度な上昇に対する規制が国の最重要課題だと指摘しています。
青書はさらに、北京五輪の経済発展に対する波及効果に注目しています。「北京五輪に関わる経済発展は加速し、急上昇する時期に入った」と指摘し、今後も引き続き力強い発展の勢いを保っていく」と見ています。
観光客の動向について青書は、来年、海外からは延べ460ー480万人が北京を訪れて、観光による外貨収入は48ー49億ドルに達し、この他国内からも延べ1億人の観光客が北京を訪れ、この部分の観光収入は1430億元から1490億元に達すると見込んでいます。(翻訳:Yan)
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