中国五大淡水湖の中でも面積が最大の「はん陽湖」は、旱魃で水域の面積が激減しています。『長江商報』によりますと、雨量の多い年だと最大水域が4000平方キロメートルに達する「はん陽湖」の水域面積は、50年間でもっとも深刻な旱魃に見舞われたため、50平方キロメートルに激減しています。これに伴い、周辺住民への水の供給や、水運、漁業が大きなダメージを受けています。地元の学者は、「「はん陽湖」は近い将来、自然に消滅する可能性もある」と見ています。
水位は一日1センチのスピードで低下
「はん陽湖」は季節による影響を受けやすい湖で、雨量の多い年は、最大水域が4000平方キロメートルに達する一方、冬の渇水期になると、大きく縮小します。しかし、それでも、これまでは数百平方キロメートルの面積を保ってきました。ところが、今の「はん陽湖」は水の流れが止まる前の小川のようで、浅いところでは、徒歩で湖底を歩いて対岸まで行くことができます。江西省余干県康山郷水文調査所は、最近、水位は一日1センチのスピードで低下し続けていると報告しています。
50年来最悪の旱魃
江西省水利庁によりますと、2006年、湖口県にいる4万6000人の住民が「はん陽湖」水位の低下によって、飲料水の不足に悩まされました。今年は50年間で最悪の旱魃に見舞われたため、沿岸の工業用水や農業用水が著しく不足している上、周辺の600万人の都市部住民の生活にも支障を来たしています。江西省の省都・南昌市と九江市も湖から近いため、この二つの都市に住む1000万人あまりの人々も、水位の低下による深刻な影響を受けています。
降水量の減少が旱魃の一番の原因だと見られています。この地域の降水量は、例年だと1500ミリあるが、今年は現在までにまだ1000ミリにも満たしていません。このほか、長江上中流地域からの水が少なくなったことも、旱魃を引き起こしたもう一つの要因だと地元の学者は指摘しています。(翻訳、整理:Yan)
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