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『新京報』、円借款の中国経済への貢献を評価
   2007-11-20 18:55:57    cri

 日本の高村正彦外相が11月8日、「来年3月に、最後の円借款として総額463億円を中国に供与する。日中双方の合意により、これをもって、対中円借款はもう新規供与を行わない」と発表しました。これを受けて、北京の新聞『新京報』は「円借款に笑顔でお別れしよう」(寄稿者:王錦思、中国日本史学会会員)と題した投稿意見を掲載しました。この文章は、日本の対中ODAを客観的に振り返り、中国の知識人の円借款終了に対する心情を描いており、ここに翻訳して掲載します。

 改革開放の初期、中国は資金、技術が不足しており、エネルギーの供給も逼迫した情勢で、基礎産業がたいへん立ち遅れていたため、積極的に外部に支援を求めました。

 1979年、大平正芳首相が中国を訪問し、中国にODA(政府開発援助)を供与することを決めました。ODAの内容には、円借款(有償資金協力)、無償資金援助と技術協力が含まれており、これまでに総額1441億ドルが供与され、中国が受け取った外国からの政府開発援助の約6割を占めています。これらの援助は、戦争賠償を放棄した中国に感謝するための、姿を変えた戦争賠償だと見ている人もいます。

 日本の低利子円借款の利息は普通は1.4%で、償還期間も10年以上となっています。1980年代、中国のインフラ整備において、電気化された鉄道の35%、汚水処理能力の36%、港湾の12%が円借款を利用して整備されたものです。2001ー2003年、円借款が次第に減少したものの、それでも、ドイツ、フランス、イギリス三カ国の対中借款の合計の2.8倍以上になっています。

 ところで、日本の対中政府開発援助は中国のためだけに実施したものでもなければ、施しでもありません。初期の円借款による秦皇島港湾施設の整備は、対日石炭輸出を促す狙いもありました。また、円借款を実施する際は、日本企業の中国市場への進出を円滑にするため、日本企業の機械設備や原材料、技術の購入という条件付きで提供されています。

 しかし、円借款は中国の発展に確かに積極的な役割を果たしており、中国は感謝しています。多くの日本人が、日本が中国に対して実施した開発援助はすべて無償のものだと思っているのと正反対に、多くの中国人は円借款は償還が必要なものばかりだと思っています。いずれも誤解があります。

 実際は、日本の対中開発援助には無償と有償の二種類があります。日本が中国に対して供与した円借款の利子は、中国商業銀行の利子の20%前後という低いものです。無償援助はすべて中国に贈与したもので、償還する必要はありません。

 1980ー2004年の間に、日本の無償援助協力は65億元で、援助総額の4%以上を占めており、その内容も教育、医療、農業、環境保全、社会保障などにわたっています。具体的には、中日友好病院、中日青年交流センター、中日環境保全センター、貴州の農業用水整備、少数民族の教育、食糧の増産、研修生の受け入れ、機材の提供、文化財の保護などです。1993年、吉林省徳恵県の教育施設に対する整備と無償資金援助で、筆者の故郷もその利益を享受しました。

 ところで、円借款や対中ODAを理解している中国人はあまり多くありません。2002年、中国社会科学院日本研究所が行ったアンケート調査では、日本にまつわるイメージの中で、「円借款」は最も低い選択肢となり、わずか2.8%しかありませんでした。

 それに対して、日本の一部の人は、中国経済の高度成長、中国が他国への援助にも乗り出していること、軍備のこと、さらに、日本に対して感謝をしないこと、援助は日本に競争ライバルを作り出したなどを理由に、対中援助と円借款を大幅に削減すべきだと考えています。

 中国外務省のスポークスマンは、対中開発援助を評価すると同時に、もしも日本が経済援助の削減を多くの理由と結びつけて考えるならば、それは「受け入れられないこと」だと述べたことがあります。

 対中円借款は2000ー2001年度に、ピークに達しました。2001年以降、円借款は5年に一度、一括払いで供与する形態から、毎年審査する方式に変わり、その額も20%?25%程度削減されました。2008年には、技術協力は引き続き継続されるものの、低利子円借款は正式に中止されます。

 もちろん、中国にも自力更生という伝統があり、中国は政治原則を放棄してまで援助を手に入れようとは思いません。中国は互恵と共存共栄関係を土台に据えて、経済協力を進めていきます。これにより、もっと多くの国から中国の建設に対する支援を得られることでしょう。

 円借款と笑顔でお別れしませんか。この笑顔は日本に対する感謝から出たものであり、また、中国の発展に対する自信と余裕から出たものでもあります。(翻訳、整理:Yan)

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