四)では、五輪が終了した後、北京の経済が後退する恐れはあるのでしょうか。
これが今、内外から大きく注目されている話題です。
これまで、五輪の開催国ではほとんど大会開催の2年前に、経済の過熱状態が起きていました。中国も例外ではありません。ここ数年、消費者物価指数や、不動産価格、株価などが上昇しつつあります。五輪の終了に伴い、景気が一気に下がるのではないかという懸念の声があります。
更に、中国のこれまでの経済成長は、およそ8年ごとに変動が起きていることを考えれば、2008年頃から中国経済は衰退期に入ると見られています。こうした動きも、五輪開催後の動きに拍車をかけるのではないかと懸念されています。
一方、これと正反対の見方もあります。清華大学の経済学者・胡鞍鋼教授の話です。
「中国の長期的な経済成長の潜在力は9.3%ー9.5%で、中でも、北京の長期的な成長力は全国平均を上回り、約10%に達しています。そのため、オリンピック終了後も、北京や全国の経済が後退するという恐れはありません。」
ちなみに、競技場の建設によって財政難に陥らないようにするため、北京市政府は五輪競技場を建設する際、政府の投資を50%に収め、残りは海外からの資金援助や集団の投資などの形で募集しました。
さらに、オリンピックの開催により、北京のサービス業のレベルが向上し、スポーツ関連産業が盛んになり、経済構造も合理的になるため、オリンピック開催の経済効果は、むしろ、大会が終わった後も持続的に、より目に見える形で現れてくるのではないかという見方もあります。
果たして、どうなるのか、今後も注目されます。 1 2 3 4
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