今年は中国の金融業が全面的に開放された最初の年です。香港も含めた外資系銀行が中国で一般庶民向けの人民元業務を取り扱い始め、中国国内の銀行と同じような待遇を受けるようになりました。
2001年12月11日、中国は正式にWTO・世界貿易機関に加盟しました。WTOに加盟する時に、中国政府は、5年以内に中国の金融市場を全面的に開放することを約束しました。その5年間があっという間に過ぎてしまいました。2007年、中国は約束どおりに金融市場を全面的に開放し、外資系銀行に国内銀行と同じ国民待遇を与えました。これは外資の要求であると同時に、中国の金融市場を発展させるためでもあります。
ここ数年、中国経済は急速に発展し、銀行業など金融分野での発展も著しくなっています。世界銀行の予測によりますと、今後5年の間に、中国を初めとする新興市場では、銀行業の市場価値の伸び率は40%に達する見込みだということです。こうした動向に対して、ほとんどの大手国際銀行が中国の金融市場に強い関心を持ち、中国でのビジネスチャンスを掴もうとしています。
しかし、いま、外資系銀行が中国で投資や業務展開をする場合、次の三つの方法しかありません。
第一は、中国系銀行の株を購入すること。しかし、株の取得は20%を超えてはいけません。
第二は、中国に支店を設けること。しかし、業務展開にいろいろと制限があります。
第三は、法人銀行を設立すること。すると、業務展開に制限はありません。
三つの方法のうち、法人銀行を設立して、地元の企業になることが一番大きな利潤を獲得出来る道なのです。このため、香港上海銀行、オランダ銀行、ハンセン銀行、日本の東京三菱銀行などが相次いで、中国銀行業監督管理委員会に法人銀行開設の申請を行いました。(つづく)(劉叡琳)
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