1989年、遼寧省盤錦市で黒頭カモメの繁殖地が発見されました。渤海湾に面している盤錦市ではこの絶滅の危機に瀕しているカモメを全力で保護しています。鳥を愛する意識が生まれ、人間と自然が平和的に共存しています。
盤錦市の鼎翔生態環境教育基地には、世界でも珍しい黒頭カモメを含め、236種類の鳥が生息しています。ここでは、大人も子供も、鳥類の保護に力を入れています。
盤錦市の黒頭カモメ保護協会がチャリティーイベントを実施しました。盤錦市実験小学校3年9組の児童たちが、鼎翔自然保護センターを訪れました。児童たちは、空き缶やペットボトルを集めてお金に代え、小動物の手術に使う医薬品や医療道具などを買いました。彼らは、これらの物品と募金で集めた315元(日本円でおよそ4700円)を鳥類救急センターに寄付しました。
3年9組の児童、趙夢涵さんは、「太陽や森が好きです。そして、鳥のことが大好きです。鳥は綺麗ですし、害虫を食べてくれます。人間の友達です。しかし、ある人は自分の利益のため、鳥を捕まえて殺します。考えて見ましょう、小鳥がお母さんを失うなんて、なんと可愛そうなことでしょう。鳥は、人間と同じです。銃をかまえるとき、その鳥の家族のことを考えてください。私は、まだ小学生なので、できることには限りがあります。しかし、怪我した鳥にもう一度羽ばたいてもらうため、力になりたいです」と語りました。
3年9組は、「愛鳥」をテーマに様々な活動をしています。担任の張紅梅先生は、日頃から生徒たちの環境保護意識を高めるため取り組んでいます。使用済み乾電池の回収箱も設置しています。また、子供たちも両親からもらった小遣いや使用済みペットボトルなどをお金に代えて募金箱に寄付しています。張紅梅先生は、「児童たちが、集めたお金を鳥の病院に寄付しました。金額は少ないですが、子供たちの愛情が込められています。環境保護を日頃の教育に取り入れて、環境に対する意識を小さい頃から身につけてほしいです」と、紹介しました。
寄付金の受け渡し式で、児童たちは、「鳥のことがすきです。毎日歌ってくれるからです。鳥を傷つけようとする人を見たら、絶対止めます。好きだからです。好きならば、庇うべきです。今後も引き続きお小遣いを貯めて、鳥の保護のために寄付します。怪我した鳥がもう一度空を飛べるよう願っています。鳥は害虫を食べてくれるから、人間にとっても大切な存在です。だれも鳥を傷つけることのないよう保護します。ミネラルウォーターを買うお金を節約して、保護基金に寄付します」と誓いました。
長年、盤錦市の市政府と民間団体は、環境保護に力をいれ、市民の環境保護に対する意識を高めてきました。また、絶滅の危機に瀕する黒頭カモメを保護するため、専門協会を設立しました。1種類の鳥のために保護協会を設立したのは、これが初めてです。人々の努力のおかげで、盤錦市に生息している黒頭カモメは1200羽から6000羽に増えました。これは、世界の75%の黒頭カモメが盤錦市に生息している計算になります。盤錦市は、中国野生資源保護協会により「黒頭カモメの郷」に認定されました。(翻訳:李軼豪)
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