遼寧省は、渤海経済圏に位置します。その海岸線は、黄海と渤海にまたがり、2920キロに達しています。黄海と渤海の海沿いには、五つの経済開発区と湾岸道路が建設されています。いわゆる、『五点一線』の対外開放戦略を推し進めています。
遼寧省営口市の沿海産業基地。聞こえるのは、ゴロゴロと機械が動いている音、そして、見えてくるのは、海を埋め立てできた平らな土地です。多くの作業員が道路の建設やパイプの敷設に忙しく働いています。工事現場で、顔長海さんは、 「当初、ここは、塩田ばかりでした。営口市にもう30年間住んでいますが、この塩の浜に、水がない風景を見たのは初めてです。平坦で、何の植物も生えていません。掘削機で溝を掘って、そして、砂と石で埋めました。こうして、道路を何本も作りました。私たちは、急がなければなりません。これが完成したら、経営者招致や資金融資が行われるからです」と紹介してくれました。
今年の始め、営口市政府は、産業機構転換のニーズに応じて、放棄された塩田120平方キロを工業開発区に生まれ変わらせることを決めました。装備製造業・アパレル産業・物流産業・生物製薬業・水産業などを重点的に推し進めることになったのです。僅か10ヶ月間で、40キロ平方メートル分の工事が終わり、28本の道路を敷設しました。また、供水や供電のネットも大部分完成しました。信念と気迫を持って、あっという間に「荒地を田畑に変える」ような大事業を完成させたのです。営口市沿海産業基地のチーフエンジニア仲毅さんは、「沖積した土砂の上に道路を建築するのは、工事量が多くて、地質状況も複雑であることから、大変でした。今、道路が大体完成しましたが、経営者招致や資金融資に有利な条件が出来上がったと思います。来年の4月までに、水・電気・ガス・通信などインフラのネットワークが完成する見込みです」と述べました。
一方、大連の「花園口」工業開発区では、開発区内の生態改善プロジェクトが完成しました。広いアスファルトの道路、高性能の街灯、整然と整えられた芝生、立ち並ぶ工場……ここにある全てが、開発区に独特な雰囲気をもたらしています。
大連の渤海沿海線の真ん中に、「長興島」があります。揚子江より北の地域における最大の島で、その経済も日増しに発展しつつあります。今年9月14日、世界6番目の造船企業である韓国のSTXグループは、「長興島」と契約を結びました。その契約により、STXグループは独自に投資して、「長興島」沿海工業開発区に造船工業基地を建設し経営することになりました。基地の敷地面積は208万平方メートル、第一期の投資金額は4億1千万ドルに達しています。基地の二つのプロジェクトは、それぞれ2008年の7月と12月に完成され使用される予定です。目下、「長興島」沿海工業開発区で行われる予定のプロジェクトは31項目あり、また29項目のプロジェクトが、交渉段階にあります。プロジェクトの投資総額は、323億ドルです。遼寧省の「五点一線」開発戦略の、5点の内2点は、大連にあるものです。このことが、大連の経済発展に活気をもたらしています。大連市の王承敏副市長は、これからの計画について、「2008年までに、50万平方キロの装備製造業開発区を建設します。2010年までに、装備製造業や造船業、化学工業を中心とする沿海工業区を基本的に完成させます。完成時には、港の取扱量は800万トンを超え、GDP総額が220億に上る見込みです。さらに、2015年になると、環渤海地区、あるいは東北地方の中でも有数の、競争力のある沿海工業基地になるでしょう」と話しました。
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