21世紀は、まさにハイテク技術の時代です。中国でも、バイオテクノロジーが人々の注目を集め、関連産業もものすごいスピードで発展しています。今日(こんにち)、バイオテクノロジーは、ハイテク技術分野において最も勢いがあるとされています。
このほど、「2006年中国泰達(タイダー)生物フォーラム」が、天津の濱海新区で行われました。フォーラムのテーマは、「21世紀 バイオテクノロジーの持続可能な発展」。内外から、バイオテクノロジーや関連分野の専門家・学者・企業家500人余りが参加しました。
フォーラムは2日間にわたって行われ、参加者たちはさまざまな討議を行いました。
アメリカ科学院の専門家、ジョージ・ヘイゲン氏は、「このフォーラムは、学者や産業界の人々及び政府関係者が多く参加しており、非常にすばらしい」と評価しました。
現在、バイオテクノロジーは、中国でも、農業・医薬・工業などの分野で幅広く取り入れられています。これについて、専門家は、「2010年までに、中国のバイオテクノロジー産業における生産高は5000億元に達するだろう。さらに、2020年までには、国内総生産の5%を占める2万億元に達する見込みだ」と予測しています。
天津濱海新区において、ハイテク技術分野の生産高は、工業総生産の42%を占めています。特に、バイオテクノロジー関連製品を生産する企業は500社を超え、バイオテクノロジー産業の年間収入は300億元に達しています。天津南開大学の饒子和学長は、次のように述べています。
「天津は昔から、中国北方最大の工業基地でした。ここ濱海新区も、長年の努力によって、基礎が固まってきたように思います。濱海新区には、南開大学や天津医薬大学、天津大学などの有名大学もキャンパスを置いています。天津は産業基地であり、産業を非常に重視しています。北京・上海などが基礎研究に力を入れているのに対し、天津は製品開発・生産を重視していると思います」
また、今回のフォーラムでは、中国の生物医薬産業の発展を促進するため、「中国泰達(タイダー)生物医薬賞」を設置することも発表されました。これは、生物医薬の研究開発などで大きく貢献した個人・団体を表彰するものです。
フォーラムの劉建亜副事務局長は、今回のフォーラムを通じて、バイオテクノロジーをいかに発展させていくか踏み込んだ討論ができたとしています。また、バイオテクノロジー分野の国際交流を強化し、関連政策の制定や産業との融合を促進していくことに意欲を見せました。
「今回のフォーラムでは、関係者に交流の機会を提供できたと思います。また、バイオテクノロジーへの理解と支持を得ることもできたのではないでしょうか。国際交流・協力関係の促進にも、大きな役割を果たすことができたと思います」
バイオテクノロジー産業には、かなりの投資と時間が必要です。また、リスクが高く、優秀な人材をそろえる必要もあります。しかし、やはり、現在、世界的に注目度の高い産業でもあります。中国科学院の陳竺副院長はこう話しています。
「中国は、今後、ハイテクノロジー産業に重点を置くことを決めています。しかし、この産業を育成・発展させていくことについては、客観的に判断しなければなりません。つまり、かなりの投資額が必要であるにもかかわらず、収益をあげることが短期的には期待できないのです。ハイテクノロジー産業、特に生物医薬産業を成功させるためには、人々に長い目で見てもらうことが必要です。今年初めに発表された『科学技術の長期的発展計画に関する関連政策』では、このことについて詳しく触れています」
中国のバイオテクノロジー産業は現在、初歩段階に入ったばかりです。研究者をはじめ、産業家や金融家、政府関係者らが共に努力することによって、今後ますます発展していくでしょう。
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