中日韓3カ国10都市の市長や商業会議所会長が参加する、第2回東アジア経済交流促進機構会議がこのほど、天津の濱海新区で行われました。会議に参加した10都市の市長は、経済のグローバル化と地域一体化の背景の下で、経済の中心となる都市や地域が協力することは、非常に大きな役割を果たしていると意見を一致させました。
中日韓3カ国の都市間の緊密な協力は、東アジアの地域経済協力に大きな影響を与えています。現在、東アジア地域では、環黄海地域の貿易物流に関する基本的なデータ、港の建設状況、貨物流動の状況をまとめた「港湾情報データバンク」を作成しています。会議期間中、参加者たちは、中日韓3カ国の貿易関連の制度を比較した上で、意見交換を行いました。これについて、日本の福岡市の中元弘利副市長は次のように述べています。
また、韓国の仁川(インチョン)市の安相洙(アン・サンス)市長は、「中日韓3カ国の都市間の協力は、地域経済の発展と世界に向けた競争力の向上にプラスとなる」との考えを示した上で、さらに次のように語りました。
「仁川港は、中国の10の港とコンテナを往来させている。現在、北九州との協力についても交渉しているが、実現すればきっと大きな成果を上げることができると思う。一方、仁川空港は中継貨物の取り扱いが多く、東アジアの製品の国際市場における競争力を向上させることができる」
中国の青島市と韓国の仁川市の間では、一部の企業が既に協力投資活動を展開しています。双方の都市で物流センターを設置し、企業間の連携を強化しています。このほか、北九州港と天津港、同じく北九州港と煙台港の間で、港湾使用料と船舶停泊料を免除するなどの互恵制度も推進しています。
10年あまりの開発を経て、天津濱海新区は、より一層発展を遂げました。今年5月、国務院は、『天津濱海新区の開発開放に関する問題への意見書』を発表し、濱海新区の開発と開放における原則や役割を明確にすると同時に、天津濱海新区を全国規模の総合改革実験区に指定しました。これについて、今回の会議の議長でもある天津市の戴相竜市長は次のように述べました。
「天津市は、北京市や河北省を含む当地域におけるサービスを強化し、この地域の発展を促進していかなければならない。また、遼東半島、山東半島の都市圏との連携を強化し、環渤海湾経済圏の発展を推進しながら、東アジアの地域協力にも積極的に参加すべきだ」
天津市特に濱海新区はここ十数年の間、その地位を向上させてきており、中日韓3カ国の都市間協力においても大きな役割を果たしています。今後、この協力を一層強化することは、大きな意義を持っています。また、経済のグローバル化に対応し、東アジアの一体化プロセスを推進するためにも必要なことだと言えます。実務的な仕事でもあります。これに対し、戴相竜市長はこのように語りました。
「今回の会議は、濱海新区と、日本、韓国及び中国のほかの都市との協力を強化することで共通認識に達した。天津濱海新区と仁川市経済自由区の経済協力協定の調印も実現した。今後、日本、韓国のほかの都市との協力もきっとあると思う。今後、東アジア経済交流都市フォーラムを、中日韓の協力交流の面でより重要なフォーラムにしていけるよう尽力していきたい」
日本、韓国との友好交流の中で、天津は一貫して、重要な役割を果たしています。今後、天津は、日本、韓国との関係都市と引き続き経済貿易協力を強化していくことになります。濱海新区の高速道路、鉄道、空港、港のインフラ建設など、重要なプロジェクトに関して協力していくほか、投資を拡大し、石油化学、電子機器、環境保護などの産業を発展させていきます。また、金融、ビジネス、貿易、物流などの分野でも、協力の場を一層拡大していく見込みです。これについて、戴相竜市長はこう述べました。
「私たちは、日本、韓国の都市との経済協力を引き続き強化していく。例えば、天津市は今、韓国の蔚山(ウルサン)と緊密な関係を保っている。天津に進出しているサムソン電子やLGなどの韓国企業は、蔚山に本部を置いている。これらの企業は天津に、かなりの額を投資している。私たちは、彼らとの協力を一層強化していく。また、環境保護の面では、職員を北九州市に多く派遣し学ばせている。このほか、交通の面でも協力を強化する予定だ。例えば、今年、来年2月、日本航空は名古屋かー天津間のフライトを1便増加することが決まっている。いずれも、非常にいいプロジェクトだと思う。必ず、実現させたいと思っている」
|