遼寧省は、建国初期、工業基地として有名でした。この遼寧省を再び振興させるには、改革を実現するための人材が重要だとされています。ここ数年間、遼寧省各界は、世界に目を向けて、海外からの人材の招致に力を入れています。この結果、人材の流失など、遼寧省の発展を妨げてきた問題は徐々に解決されつつあります。
瀋陽航空工業学院のスチュワーデス養成クラス。ピーター夫妻が、学生にオーストラリアの民謡を教えています。なんだかオーストラリアの見渡すかぎり一面の草原に身を置いている気分になります。
このピーター夫婦は、同学院で工業設計クラスの授業も担当しています。教壇もなければ黒板もないこの教室で、学生は2人の英語教師を相手に英語で喋りながら、模型を制作していくというわけです。学生は、「彼らの授業が好きです。雰囲気がぜんぜん違います。楽しくて自由です。外国人の授業は、友達同士の交流みたいで、肩が凝りません」と、ピーター夫妻の授業を評価しています。
ピーター夫妻は、かつてオーストラリアの国家公務員でした。退職後、中国にやって来て、遼寧省の教育に力を注いできました。夫妻は、学生とのマンツーマンの交流を重視しています。学生に自信を持って英語を喋ってほしいからです。長年教育に携わるなかで、中国の学生に適した教え方を考えた結果の結論です。これについて、ピーターさんは、「なぜ設計の授業で英語で喋るかというと、設計をしながら英語を勉強すると、身につけやすいし、早く覚えられるからです。大きな教室で勉強すると、学生は先生の話に集中するだけで精一杯です。私の目的は、学生を学習の主役にすることです。習った知識を実際の操作に応用してほしいのです」と述べました。
つぎは、もう一人の外国人教師、ドイツ人のマティン・ガリさんを紹介しましょう。ピーター夫妻と同じく瀋陽航空工業学院で働いているガリさんは、教育に対する真摯な態度が認められ、このほど『優秀外国人専門家栄誉賞』を受賞しました。中国での生活について、ガリさんは次ぎのように語りました。「私のパートナーは、皆プロです。肌の色が違うけど、仕事に対する態度は、同じです。私たちは、非常に優勝なチームだと思います。ヨーロッパの伝統的な祝祭日になると、皆で集まり、一緒に祝ってくれます。ここでの生活は、非常に楽しいです」。
目下、瀋陽航空工業学院では、8ヶ国から専門家、外国語教師12人を迎えています。皆、熱心に指導しています。彼らの教え方は、学生にとって非常に新鮮にうつり、校内に活気さえ与えています。
ここ5年間、遼寧省では、延べ4000人の外国人専門家、外国語教師が、教育に携わってきました。学生たちは、外国語だけではなく、文化や考え方、チャレンジ精神なども学ぶことができます。外国から人材を招くことが、遼寧省の教育の発展を推し進めているのです。
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