中央政府は、建国当初の東北地方の工業基地を振興させる戦略を実施してきました。以来、遼寧省の市民など、各方面の努力が実を結び、ここ3年のうちに、この古い工業基地は大きく変わりました。
遼寧省瀋陽市には、『開発大通り』と呼ばれる通りがあります。ここに、新しい大工場がそびえ立っています。これは、瀋陽送風機会社、瀋陽気体コンプレッサー会社、瀋陽ポンプ会社が合併してできた瀋陽送風機グループの工場です。グループの孔躍龍社長は、「私たちは、生産過程や製品構造を見直し、アジア最大規模の機械製造基地を作り上げました。私たちの目標は、2010年までに総生産高を百億元にすることです」と紹介してくれました。
昔ながらの国有企業3社が、戦略的な再編成を行い一丸となって巨大なグループを形成したのです。2005年、瀋陽送風機グループの生産高は前年度より56.6%増え29.23億元に達しました。また、売り上げは前年度より61.4%増え27.96億元に上っています。
瀋陽送風機グループと同じように、遼寧省の多くの基幹企業が、改革を行い、新しい企業制度と経営システムを作り上げ、生産力を高めています。その一つ、瀋陽旋盤グループは、ドイツのキス社を買収し、さらに昆明旋盤会社と雲南旋盤会社を合併して形成されました。この一連の買収・合併を通して、国内最大規模の旋盤製造企業として、業界世界ベスト15にランクインしました。また、大連クレーングループは、国内の業界内で最大の規模を誇り、優れた生産力・競争力を有する企業に成長しました。さらに、大連船舶重工業グループは、国内最大、世界第5位の船舶生産企業になっています。遼寧省発展改革委員会の王樹年副主任は、「中央政府が東北工業基地を振興させる政策を実施して以来、遼寧省の製造業界は、良好な発展を続けています。製造業の生産高は著しく上昇し、技術的にも大きく進歩しました。合併や再編成といった動きが次々起こっています」と語りました。

目下、遼寧省には、多くの技術開発センターがあり、国家クラスが17ヶ所、省クラスが51ヶ所となっています。これらのセンターは、技術開発や設計、製造において高い水準を誇っています。また、遼寧省の旋盤業、船舶、飛行機、自動車、鉄道、さらに石油化学、鉱山などの分野における製造力は、国家の経済や国防などで重要な役割を果たしています。
製造業は、「国民経済のエンジン」と呼ばれ、国と地域の経済力を評価する重要な基準です。50年前、製造業の実力ではトップだった遼寧省は、「中国の装備供給地」と呼ばれていました。現在、その栄光をひきつぎながら改めて「中国の製造業を支える」との目標に立ち向かっています。
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