10月15日、「中国で最初の商談会」と言われる中国輸出商品交易会、即ち広州交易会は百回目を迎えました。50年の間、広州交易会は中国の対外貿易の発展に重要な役割を果たし、中国対外開放のシンボルで、中国経済の実力と対外貿易のバロメーターともなっています。今回の番組は広州交易会の変革と発展についてご紹介します。
1950年代、西側諸国は誕生したばかりの新中国に対し、封鎖と制裁の措置を取っていました。生産材料や生活用品の不足を解決するため、1957年、中国政府は広州で、年に2回の商談会を行うことを決めました。
第一回の広州交易会は中国の対外開放を象徴するものとなりました。これについて、中国対外貿易センターの張志剛理事長は次のように語りました。
「広州交易会の開催は中国対外開放の扉を開きました。この交易会によって、開催された年の輸出契約高は中国の外貨成長の2割以上を占めました。それ以降の10年間も、20%から40%の伸びを維持しています。この偉大な試みは、中国の経済建設に貴重な外貨をもたらし、中国最初の平和外交の重要な一環となっています」
広州商談会の開催は西側諸国が設置した貿易障壁を打ち破り、中国と東南アジア地区ないしは世界各国、各地域との貿易交流を促しました。それ以来50年の間、広州交易会は中断せずに100回も行われ、中国で歴史がもっとも長く、規模がもっとも大きく、商品の種類がもっとも揃っており、そして成果が最も優れた総合的かつ国際的な貿易の場となっています。商談会は中国対外貿易の発展と対外開放に重要な役割を果たしてきました。
一回目の広州交易会に参加したニュージランド中国貿易協会の前議長、ビクト・ハンシフ氏は昔のことを思い出しながら、次のように語りました。
「当時は、直行便がなかったし、手続きもいろいろ面倒でした。われわれはニュージランドから広州に着くまで、7日間もかかりました。そのとき、香港から広州までの列車は乗客が少なかったですよ。しかし今では、ニュージーランドから広州まで飛行機で僅か10時間しかかかりません。昨日、香港から広州までの列車には、商談会に来るビジネス客でいっぱいでした」
ハンシフ氏の話から、広州交易会のこの数十年の変化をうかがい知る事が出来るでしょう。
改革開放の進展により、広州交易会の組織の仕方や、出展方式、出展商品など、いろいろと変化を見せています。取引額も最初の数千万ドルから、第99回の3200億ドルに達し、1000倍以上にも増えました。この商談会は国内外の企業に「中国対外貿易のバロメーター」と呼ばれています。
15日に開幕した第100回広州交易会には、合わせて1万4千社の企業が出展し、50万人が参加しました。いずれも過去最高の記録となりました。広州交易会は中国企業に自己PRをする絶好のチャンスを提供し、多くの企業はここから海外市場に進出する第一歩を踏み出しました。
2002年、広東省の志高エアコン会社は初めて広州交易会に出展し、1000万ドルの取引高を実現し、その年の輸出高は2001年より5倍以上も増えたということです。これについて、志高エアコン会社の李強浩総裁は、「志高エアコンの成功は広州交易会と切り離せない」と次のように語りました。
「我が社の国際進出には、広州交易会が欠かせないものでした。なぜなら、この商談会は我が社に取引をする絶好の場を提供してくれました。コストが低いわりに取引の量が大きい。心から交易会に感謝していますよ」
現在、広州交易会は中国対外開放の窓口となっています。この窓口を通じて、世界が中国を理解し、中国が世界のことをもっと分かるようになっています。国内外の企業はここで情報を交換し、商談を行い、取引を進めています。中国の商品はここから、世界各地に販売され、国際市場に進出しています。
中国の温家宝首相は10月15日、第100回広州交易会の開幕式で挨拶し、この中でここ数十年、中国対外開放のプロセスを振り返りました。
「広州交易会は中国対外開放の縮図です。商談会の開催は中国対外開放における重要な一歩で、半世紀の歴史は中国対外開放のプロセスを物語っています。また、商談会は改革開放以来、対外貿易の新しい発展や新しい成果を反映し、中国対外開放の道がますます幅広くなったことを表しています。現在、中国では、全方位的な対外開放がすでにでき上がったと言えるでしょう」
中国対外貿易の発展と経済実力の強化に伴い、広州交易会は新しい変革にも直面しています。ここ数年、中国の貿易黒字は急速に拡大し、去年は初めて1千億ドルを突破しました。また、今年の1月から9月までの貿易黒字は1098億5千万ドルで、すでに去年1年間のレベルを上回りました。貿易黒字の拡大は、中国経済が直面する大きな問題となり、中国の対外貿易環境が厳しくなり、貿易摩擦も増えています。
こうした状況を見直し、対外開放の新しい情勢に適応するため、輸入を拡大することによって、輸出入をバランスよく発展させることが差し迫った課題として求められいます。そのため、中国政府は次の第101回広州交易会の正式名称を「中国輸出商品交易会」から「中国輸出入商品交易会」に変えました。一字の差しかないものの、中国の対外貿易政策が、従来の輸出重視から、輸出も輸入も重視し、輸出入のバランスをもっとも重視するものに変えて行くことを表しています。
今後の広州交易会はきっと市場化、専門化、産業化、国際化の方向に向かって、さらに発展していくことになるでしょう。(担当:劉叡琳)
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