中国農業省の発表によりますと、中国農産物の6月の対日輸出額は、5億6900万ドルに留まり、去年の同じ時期より18%も下回ったことが分かりました。輸出減少の主な原因としては、国外の技術的なことが障壁となって大きな影響を受けたことが挙げられています。特に、日本の「ポジティブリスト制度」の影響が大きいということです。
中国にとって、日本は最大の農産物輸出先です。対日輸出を大きく抑えた「ポジティブリスト制度」とは、今年の5月29日に実施され、日本が食品中の残留農薬の規制を強化するために制定した新しい制度で、残留化学物質が基準値を超えた食品の流通を禁止しています。この制度の導入によって、残留化学物質の基準は大幅に厳しくなり、検査項目も倍増しています。
中国の現行の基準では、日本の「ポジティブリスト制度」に対しては、対応できない企業が多く出ているということです。また、対応できる一部の品目でも、日本への輸出が多い穀物や水産物など60種類、これは農産物の4分の1にあたりますが、日本の基準は中国より厳しいものです。
中国農業省の発表によりますと、輸出額への直接の影響は80億ドル近く、そして6000社余りの輸出業者に影響を与えそうです。
こうした状況に対応するため、国家品質監督検疫検査総局の葛志栄副局長はこのほど開かれた記者会見で、「当面の急務は、関係企業が適確な行動を取ることだ。つまりポジティブリスト制度の各条項に細かいところまで注意を払い、技術を改善して、生産、包装、保存の各プロセスで残留農薬を厳しく抑えなければならない」と指摘しました。
企業の自主的な努力がまず必要でしょうが、政府機関も、企業側を支援、指導する必要があると見られています。(劉叡琳)
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