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日本風ラーメンブームと商標権保護
   2006-06-27 14:12:48    cri
 中国では、ラーメンといえば、四川ラーメン、蘭州ラーメン、広東ラーメン、加州(カリフォルニア)牛肉ラーメンなど、さまざまなラーメンがある。その中でもっとも人気があるのは、蘭州ラーメンである。

 以前、日本弁護士代表団を案内して、蘭州ラーメンの本拠地である蘭州市を訪問したことがある。毎朝、観光バスで見学先に出かけたが、窓から見ると、街のあちこちに牛肉ラーメン屋があり、どの店も客でいっぱいで、人々は香り高い大盛りの牛肉ラーメンを美味しそうに食べていた。

 蘭州市民はみんな、朝食に牛肉ラーメンを食べ、それから一日の仕事を始めるという。以来、蘭州ラーメンを食べるたびに、あの蘭州市の朝の風景が目に浮かんでくる。

 ラーメンは、ファーストフードと位置付けられている。食にうるさい中国では、そんな簡単な食べ物を改良している暇があったら、もっとおいしい肉料理や魚料理を考えろ、という考えを持つ人が多い。だから、中国でラーメン屋を開いて成功するのは、実に容易ならぬことなのだ。

 ところが、この「常識」に挑戦して大成功したラーメン屋がある。蘭州ラーメンを商う「馬蘭ラーメン」は、数年の間に、中国全土で400店舗以上のチェーン店を展開し、さらに米国やフランス、シンガポールまで進出している。

 「味千ラーメン」も成功者だ。「味千ラーメン」は、日本の熊本市に本社を置く重光産業が、日本やアジアで展開しているフランチャイズチェーンで、1999年9月に上海1号店をオープンし、着実に店舗網を拡大し、いまや全中国に50店舗近くを展開している。

 中国で、「日式」(日本風)ラーメン店を経営している日本企業は約20社あるが、「味千ラーメン」がナンバーワンの座を守り続けていると言ってよいだろう。

 重光産業は、1997年7月に、中国国家工商行政管理局商標局に「味千拉面(ラーメン)」の商標登録をしている。「拉面」の「拉」は「引っ張る」という意味。引っ張って作る麺なので、「拉面」と呼ばれている。

 「中国に美味しいラーメンはない」という一部の日本人の考え方は正しいのかどうかわからないが、上海などの都市では、日式ラーメンはブームとなり、日式ラーメンの市場は、急速に拡大している。

 昨年、「味千ラーメン」は、筆者の事務所が入っている北京のビルにも開店した。他の日本料理屋のラーメンよりとくに美味しい ニはいえないようにも思うが、ときどき満員になる繁盛ぶりを見せている。

 しかし、ある店の商売が繁盛すると、似たような名前で商売する者が出てくる。とくに外食産業では、有名ブランドにただ乗りする現象が多い。「味千ラーメン」の名前にただ乗りするラーメン屋が、各地にたくさん現れた。

 2年前、「味千」と類似し、しかも発音が同じである「味仟」を、企業の名称の一部として登録し、看板等に使用するラーメン屋「味仟拉面」が登場した。「味仟拉面」は、無錫の繁華街に2店舗を開設したが、いずれも商売繁盛で、誰もが知っているという。

 そこで、重光産業は、「味千ラーメン」が無錫などへ店舗展開する際の妨害を除去し、「味千ラーメン」の商標権を保護するため、「味仟拉面」を相手取り訴訟を起こした。

 他人の登録商標と同一または類似の文字を、企業名称の一部(商号)として登録し、看板などに使用した行為については、権利者はたいてい、商標専用権侵害及び不正競争に該当するものとして、損害賠償を求める。

 商標専用権侵害を構成するかどうかについては、人民法院は、基本的には、商標登録が先であるかどうかによって、登録商標専用権侵害の有無を認定する。

 不正競争に該当するかどうかについては、人民法院は、基本的には、被告の商号使用行為により普通の消費者に混同を生じさせたか、又は生じさせる恐れがあるか、また、被告に故意があったか、によって不正競争行為の該当性を判断する。

 無錫市中級人民法院は、2006年2月23日に、被告の「味仟拉面」に対して商号及び看板に「味仟」を目立つように使用することを停止し、原告の「味千ラーメン」に50万元(請求額は100万元)を賠償することを命じる一審判決を下したのである。(「人民中国より 鮑栄振」)

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