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新しく創業した中小企業の資金調達
   2006-07-10 10:53:15    cri
 ベンチャー企業に資本を提供する会社、ベンチャーキャピタルは世界経済でますます重要な地位を占めるようになっています。急速に発展しつつある中国のベンチャーキャビタルはもちろん、国際ベンチャーキャビタルも注目を集めています。ここ数年、ベンチャーキャビタルは中国で創業したばかりの新しい企業に発展のチャンスを与え、巨額の利益をもたらしました。インターネットサイトの「NETEAST」や、世界最大の中国語検索エンジン「百度」を始めとするIT企業など、多くの上場企業はベンチャーキャビタルの恩恵を受ける一方、収益からそれなりのお返しをしています。

 このほど、中国企業の創業・融資・ベンチャーキャビタルに関するシンポジウムが北京で行われました。中国で、今、新しい企業を創業する場合、どんな資金調達が効果的なのか、「スポットライトコーナー」では、ベンチャーキャビタルの特徴や有名企業の経験談などシンポジウムで取材した内容について、前回に続きご紹介します。

 新しく創業した中小企業にとって、資金の支援があるかどうかは直接企業の発展スピードに関わっています。しかし、創業の初期は、業績がまだ読めないため、銀行ローンを借りることはとても難しい状況です。自己資金や親友からの借金には限界があり、そこでベンチャーキャピタルが主な資金調達手段となっているようです。

 今年34歳の雛簡平さんはアメリカのフィラデルフィア医学院の博士です。帰国して間もなく自分の会社を作り、ガンの早期検査の研究に取り組んでいます。雛さんの会社は60種類のガンを検出できる新しい方法を研究していますが、しかし、このプロジェクトの展開は資金不足という難題にぶつかっています。

 資金不足を如何に乗り越えるか、資金調達で頭を悩ませている創業者は少なくないでしょう。では、この問題について、専門家たちはどう考えているでしょうか。

 かつてネット会社のNETEAST(網易)にベンチャー投資を与え、その成功を手助けした国際ベンチャーキャビタルの専門家、「今日投資グループ」の徐新総裁は次のように答えてくれました。

 

 「雛さんのような技術者の創業した企業は一つのデメリットがあります。それは財務知識の乏しいこと。このような企業はベンチャーキャピタルに頼む際、まずは財務知識が豊かなCFOを探して、プロの手によるビジネス計画書を作ることを薦めます。なぜかと言うと、ベンチャーキャピタルのところに毎年数百部以上のプロジェクトが届きますが、実際に投資したプロジェクトは僅か一つか二つしかありません。つまり、成功率は1%か2%にしか過ぎないものです。ベンチャーキャピタルの注目を集めるため、企業の第一印象のインパクトを強くさせることがとても大事です。そのカギはビジネス計画書です」

 業界では、「ベンチャーキャピタルからの融資に成功するかどうかは偶然なものだ」という言い伝えがあります。ベンチャーキャピタルの投資を募る際、失敗の心構えも必要なのです。また、「30ー50%の自己資金を投入することが事業への自信を示し、説得力を持つ」と徐新さんは強調しています。

 ベンチャーキャビタルのほか、大手企業からの資金導入も資金調達の一つです。創業したばかりの新しい企業に対して、大手企業の投資意向はいかがでしょうか。

 恵聡ネットのCEO郭凡生氏は次のように語りました。

 「投資者は投資する分野のことを詳しく知っているとは限りません。融資を募る場合、ビジネス計画書はとても大事です。ビジネス計画書は権威性や信憑性の高い専門家や機構の認可をもらえれば、融資の成功率は高くなるでしょう。また、技術者が創業した企業は、技術の先端さや実用性を証明しなければなりません。プロの技術知識などを素人に説明することは難しいかもしれませんが、説明のテクニックがとても大切です。メリットであるはずの技術を企業発展の障壁にならないように注意して欲しい」

 また、中国で有名な民間企業ーー蒙牛乳業の取締役兼CEOの牛根生さんは次のように意見を述べました。

 「創業したばかりの企業にとって、融資よりもっと大切なことがあります。それは企業を発展させるアイディアや、経験を生かすことです。いいアイディアや経験は資金に取って変わることが出来ます。企業家としては、高い見地に立って企業の発展を全体的に考えなければなりません」

 そして、香港世界貿易総商会の夏パウロ(夏保羅)会長は銀行家としての立場から、新しく創業した中小企業の融資問題について次のような考えを述べました。

 「相手がベンチャーキャピタルであっても、銀行や大手企業であっても、融資の準備作業はだいたい同じです。まずは説明すること。自分の会社の技術や特徴を業界以外の人々に聞いてもらったり、理解してもらうことが融資の前提です。第二は、扱う商品の権威性を証明すること。第三は、プロジェクトが実用化できることを証明すること。第四は、市場潜在力を調査すること。第五は、収益が可能なことを証明すること。第五は、企業のチームワークを生かすことです」

 創業したばかりの新しい企業にとって、資金調達は確かに簡単なことではありません。しかし、プロのベンチャーキャピタルや、大手企業の企業家、銀行家などの投資専門家の意見を伺うと、3つの要点があることが分かりました。それは、自信、データと情熱です。

 自分の事業を信じて、最後まで貫く精神は成功の前提です。そして、権威性のあるデータで自己証明をすることが一番の説得力につながります。三つ目の事業への情熱は企業を絶えず発展させる原動力となるでしょう。

 今、中国では、毎日たくさんの中小企業が現れています。日増しに激しくなっている市場競争の中で、これらの中小企業は如何に資金を募って発展するかは、これからの中国経済に影響を与える大きな課題となるでしょう。(文・取材:劉叡琳)

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