中国日本商工会(商工会議所)の五十嵐克也事務局長は、このほど中国駐在日本大使館で開かれた講座で、北京にある中国日本商工会の活動や中国にある日本企業がどんな分野で社会に貢献しているかについて、北京市民に詳しく説明しました。
講座が終わった後、北京放送の記者は、今の中日両国の政治と経済についての関係、日本の中国に対するODA(円借款)の減少と日本企業の中国投資が増加したことの原因、中国市場の魅力について五十嵐事務局長に話を聞きました。
中国へのODAは減少していますが、逆に、日本企業の中国への投資は増加しています。その理由について、五十嵐事務局長は、「これまで、日本は安い賃金の中国人労働力を求めてきたが、これからは中国をマーケットと見て、中国の顧客に良い製品を手頃な価格で提供する。これを狙いとして投資していると思う。ODAが減少する中で、日本企業は政府の動きとは関係なく、自らの意思で、中国を製造拠点としてだけでなく、マーケットにしていると見てもらいたい」と述べました。
中国で、ここ数年、労働者の人件費が少しずつ上がってきていることは企業の利益が少なくなることにもつながりますが、今の中国は日本企業にとってどんな魅力があるのでしょうか。五十嵐事務局長は、「この状況の下で、生産拠点としての価値はまだまだある。いろいろ努力するところで、賃金の上がった分を吸収することができる」と語りました。
日本企業がこれから中国でどういう方向に向かって発展するかについて、五十嵐事務局長は、「日本企業は、社会貢献をこれまで真面目にやってきたが、もっと自然な形で中国の人々に語りかけたほうがいいと思う。これらの活動を通して、企業として、また、人間として中国に受け入れてもらえるようにしていくべきだと思う」と語りました。詳しい内容は番組と合わせてチェックしてください。(文・取材:任春生)
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