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注目集めるVC(ベンチャーキャピタル)
   2006-07-03 11:58:17    cri
 ベンチャー企業に資本を提供する会社、ベンチャーキャピタルは世界経済でますます重要な地位を占めるようになっています。急速に発展しつつある中国経済のベンチャーキャピタルはもちろん、国際ベンチャーキャピタルも注目を集めています。ここ数年、ベンチャーキャピタルは中国で創業したばかりの新しい企業に発展のチャンスを与え、巨額の利益をもたらしました。インターネットサイトの「NETEAST」ネットや、世界最大の中国語検索エンジン「百度」を始めとするIT企業など、多くの上場企業はベンチャーキャピタルの恩恵を受ける一方、収益からそれなりの返済をしています。

 このほど、中国企業の創業・融資・ベンチャーキャピタルに関するシンポジウムが北京で行われました。今日の中国で、新しい企業を創業する場合、どんな融資手段が効果的なのか、「スポットライトコーナー」では、ベンチャーキャピタルの特徴や有名企業の経験談などシンポジウムで取材した内容について、2回に分けてご紹介します。

 融資の新しい手段として、ベンチャーキャピタルが創業したばかりの新しい企業の注目を集めています。

 融資、つまり、「お金を借りる事」「資金を探す」ことです。個人の場合、お金が足りなければ、親友から借りることが普通でしょう。住宅やマイカーを購入する場合、銀行ローンを借りることもできます。しかし、企業の場合、巨額な資金が必要となり、親友から借りることには限界があり、銀行ローンもそれほど簡単に手に入るものではありませんから、いかにして資金不足を乗り越えるのか、その事に多くの新しい企業が頭を悩ませています。

 これについて、恵聡ネットのCEO郭凡生氏は自分の考えを次のように語ってくれました。

 「中国で創業する場合、主な融資のルートは3つあります。第一は銀行から借りること。この場合、一般の商業資本や産業資本として、銀行ローンには利息が要求されます。第二はベンチャーキャピタルに依頼することです。この場合、返済は銀行ローンの利息よりかなり高くなります。10倍かそれ以上要求されますよ。なぜかと言うと、ベンチャーキャピタルはそう簡単に投資するわけにはいかないからです。投資をした十数ものプロジェクトのうち、1つか2つしか成功できません。そのため、5倍から10倍、それ以上の返済が要求されます。第三は個人的借金です。これが上手くいくかは、人脈や個人の魅力、説得力に関わります」。

  

徐新総裁

 では、ベンチャーキャピタルの魅力はいったいどこにあるのでしょうか。なぜ、これほどの企業家を引き付けているのでしょうか。かつてネット会社のNETEAST(網易)にベンチャー投資を与え、その成功を手助けした国際ベンチャーキャピタルの専門家、「今日投資グループ」の徐新総裁は次のように説明してくれました。

 「ベンチャーキャピタルは貪欲だとよく言われています。しかし、べンチャーキャピタルの投資金額はほかの融資手段よりかなり大きくて、融資期間も長いのです。アメリカの関係機関の調査によりますと、現在、アメリカのナスダック証券取引所に上場した企業のうち、ブランド価値が10億ドル以上の企業は、いずれもベンチャーキャピタルによる投資を受けています。ベンチャーキャピタルは確かに企業の発展を促す力となっています」。

 では、国際ベンチャーキャピタルは中国市場や中国での投資をどう見ているのか、徐新さんは、「今の中国は、大部分の企業や業界が急速な発展段階にあり、また拡張の時期でもあります。資金の支援があるかどうかは、直接企業の発展スピードに関わります。われわれベンチャーキャピタルは、3つの投資理念を持っています。業界に投資すること、企業家に投資すること、企業家の養成を促す投資という3つの理念です。私から見れば、企業家に投資することが一番大事です。特に、今、中国では新しい企業がどんどん現れ、これらの企業が創業の初期の段階で利潤を上げる事ができるのかどうか、全く読めません。そのため、企業家、その人に対する考察が特に大切です。それは科学ではなく、芸術だと言えるでしょう。もちろん、いろいろな経験を積み重ね、教訓を汲み取った上で判断します。創業したい人を探すのは簡単だけど、困難にぶつかっても諦めず、最後まで自分の考えを貫く素質が企業家にとっては、何より大事だと思います」。

恵聡ネットのCEO郭凡生氏

蒙牛乳業の取締役兼CEOの牛根生氏

 経済のグローバル化の進展に伴い、現在、世界進出を図り、国際化の道を歩むことは多くの企業にとって、発展の重要な戦略となっています。では、国際化の道を歩みたい企業が融資を募る場合、どんなことに注意する必要があるのか、香港世界貿易総商会の夏パウロ(夏保羅)会長は次のように語りました。

 「国際市場に進出するために融資を募る場合、一定のプロセスが必要です。まずは自己資金の投入です。自分がいいと思うプロジェクトなら、まず自ら資金を出して投資した方がいいと思います。そうしないと、人を説得し、信じてもらうわけには行かないでしょう。それに、成功しそうな事業だという兆を見せることが必要です。共に勝つという「ウィンウィン」の結果を求めるには、良い成績表を見せなければなりません。第二段階は戦略パートナーを探すことです。ここで言う戦略パートナーとは、ベンチャーキャピタルではなく、一緒に創業する仲間です。これは創業の準備作業とも言えるでしょう。第三段階が、ベンチャーキャピタルを探すことです。リスクが高ければ、投資金額は少なくなります。そのため、ベンチャーキャピタルに対しては一つの物語を語る必要があります。この物語とはつまり企画書です。ベンチャーキャピタルを納得させ、心を奪うような企画書が融資成功のカギとなります。第四段階は商業銀行からローンを借りることです。もちろん、商業銀行はベンチャーキャピタルより保守的で、企業にある程度の業績がなければ、銀行から融資してもらえないでしょう。第五段階は、証券市場で債券を発行することです。もちろん、この段階に至ると、企業はかなりの実力を備えていなければなりません」。

 では、ベンチャーキャピタルの支援がなければ、新しい企業は発展できないでしょうか。実は例外もあります。中国で有名な民営企業??蒙牛乳業は創業して僅か数年間、60億元のブランド価値を獲得し、民営企業ランキングの第一位にランクされました。蒙牛の場合はベンチャーキャピタルに頼らず、独特な融資手段によるものでした。これについて、蒙牛乳業の取締役兼CEOの牛根生氏は次のように語りました。

 「民営企業としての蒙牛の成功は、過去の積み重ねと密接に関わっています。ゼロから始めるのは難しいでしょう。蒙牛は昔の国営企業から改組されたもので、改組された初期はやはり資金不足の困難に直面していました。職員たちは自ら資金を集めました。住宅を購入する予定のお金や子供を大学に行かせるお金、お年寄りが病気を治すためのお金さえ出して、1千万元ぐらいの資金を確保しました。そして、私たち7人の高級管理職は自分の住宅を銀行に抵当に入れて、3百万元を集めました。また、3人のスタッフも個人で銀行から100万元のローンを借りました。これらのお金が、蒙牛の創業初期のすべての融資でしたよ。職員たちの力、チームの力を借りて、蒙牛はベンチャーキャピタルに頼らず、資金不足の難題を解決しました。でも、今から振り返ってみると、このような融資はベンチャーキャピタルよりずいぶん厳しいものだと思いますよ。なぜかと言うと、人々の信頼を獲得して融資することはかなりの圧力となり、ベンチャーキャピタルよりもリスクが大きくなるからです」。

 ベンチャーキャピタルは中国の企業界で、ますます重要視されています。では、創業したばかりの中小企業にとって、ベンチャーキャピタルやその他の融資手段の利用には、どんな悩みがあるのか、またどうすれば解決できるのか、次回の「スポットライト」は引き続きご紹介します。ぜひお楽しみください。(文・取材:劉叡琳)

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