劉明康：銀行業監督管理委員会は、商業銀行などの金融機関が業務革新を行うことを支持すると同時に、業務革新に伴うリスクと銀行のリスク管理に対する革新活動の影響を注意深く見守っています。リスクの防止を前提とし、管理の標準化を基礎とするという原則を堅持し、法制度や参入の基準をタイムリーに制定しました。ここ2年余りの間に、銀行業監督管理委員会は金融の派生取引業務、商業銀行の個人的資産管理業務、電子銀行業務などの管理方法を制定したほか、「市場リスク管理ガイド」、「商業銀行による試行的な基金管理会社の設立に関する管理規則」、「試行的な貸付資産の証券化に関する管理規則」などを発表しました。今後は、　銀行カード、商業銀行基金会社、資産証券化、信託業務の管理条例や管理ガイドを制定し、監督管理制度の整備を広範囲かつ多角度から実施していきたいと考えています。

　記者：銀行業監督管理委員会は銀行業の金融革新を支持するために制度面での保障のほかには、どんな措置をとったのでしょうか。

　劉明康：銀行業監督管理委員会は2003年に発足した当初から、「標準化と発展を共に重視し、育成とリスク防止を並行して進める」という原則を打ち出しました。2005年10月、業務革新監督管理協力部を設立し、その後上海、深圳などの銀行業監督管理局にも革新監督管理協力事務所を設置しました。

　また、商業銀行が総合的経営を試行的に展開することを支持しています。ここ数年、国際金融分野の銀行や証券、保険などで金融業務の一体化の傾向が著しくなってきました。工商銀行、建設銀行、交通銀行はすでに試行的な基金管理会社を設立しており、3社の基金管理会社の初めての資金募集規模はいずれも、40億元を超えました。

　記者：最後に一般市民にとって、金融革新はどんな意義があるのでしょうか。

　劉明康：金融革新には二つの内容が含まれています。一つは商業銀行が新たな業務と製品を開発すること。もう一つは商業銀行が既存の業務を改善し、それを健全化させることです。市民がそこから受けるメリットは目に見える確かなものだと言えます。

　例えば、建設銀行は現在、アメリカの銀行と協力して小売ネットワークのモデルチェンジ的なプロジェクトを展開しています。このプロジェクトは利用者に便宜を図ることを出発点として、ネットワークの機能を決算型からサービス型へと転換しました。また手続きを簡素化し、利用者が待つ時間を減少させると同時に、顧客に応じた多様的なサービスも提供しています。

　現在、わが国の市場資金は比較的に潤沢なので、商業銀行が個人向けの財テク業務を行う時、利用者に専門的な投資顧問やサービスを提供することができます。また市場では約100種類もの財テクの商品があります。招商銀行の「金葵花」、農業銀行の「金鍵」などが人々によく知られているものとなっています。

　商業銀行が消費分野で行っている銀行カードや個人ローン、それに住宅ローン分野で実施している住宅を抵当にした貸付など様々なサービスが行われており、これらが一般市民の消費行為のために便宜を図っています。（おわり　王玉華）