20年余りの改革と開放を経験してきた中国の銀行業は、その素質と競争力が絶えず強化されています。しかし同時に改革開放の深化と拡大につれて、銀行業などに潜在していた問題も表に現れるようになりました。これらの問題を解決する重要な原動力は革新です。この話題について、人民日報の記者がこのほど、中国銀行業監督管理委員会（CRBC）の劉明康主席にインタビューしました。以下はその内容です。

　銀行業の徹底的な改革、革新を。

　記者：「改革開放の深化につれて、従来の金融製品とサービス手段は新たな需要に適応できなくなった。金融業の革新を必ずやらなければならない」と劉主席は言っていますが、金融業はどのように革新すべきでしょうか。

　劉明康：金融業の革新を加速することは商業銀行の当面の急務であり、必然の選択です。金融の自由化やWTO加盟後の過渡期がまもなく終了するのに伴って、国内商業銀行は市場競争力をいち早く向上させるという差し迫った要求に直面しています。同時に、都市部も農村部も住民の収入が絶えず増えるに伴い、人々は伝統的な預金業務と簡単な投資のやり方に満足できなくなっています。したがって、投資方法を多元化することによって人々の投資需要を満たす必要があります。

　ここ数年、国内の商業銀行は市場の需要や同業者との競争に伴い、金融製品を倍増させました。しかし、サービスの同質化現象が深刻で、革新の深さと広さがないと同時に、管理が悪く、ブランド効果もありません。商業銀行が激しい競争の中で生存し発展するには、革新意識を確立し、金融革新戦略を制定し、ブランド効果を上げなければなりません。また、サービスに関する考え方を改め、新製品の開発でも展望性や吸引力のある製品を重点的に開発し、利用者の信頼度を向上させる必要があります。さらに管理体制と業務の流れを革新し、既存の「縦割りで風通しの悪い銀行」を「教務の流れに沿った風通しの良い銀行」に変えなければなりません。

　記者：中国銀行業が金融革新を行うには何か有利な条件はありますか。

　劉明康：ここ20年余りの間に、銀行業の改革開放であげた成果は、金融革新の発展を推し進めることに有利な条件を作りました。

　まず、銀行資産の質が明らかに改善されました。2005年末までに、商業銀行の不良貸付金の割合は2003年の17.2％から8.9％に下がり、歴史的とも言える進展を見せました。また商業銀行の中で資本の中身が基準に達した銀行は2003年の8社から53社に増えました。これらは商業銀行が一段と進んだ改革を行うことに適した環境を提供すると同時に、中国銀行が国際並みになるのに良好な基礎を作りました。

　次は、商業銀行の資金が充分にあることです。2005年末までに、銀行業務を行っている主要な金融機関の預金と貸付の間の差額は9万億元を超えました。これは、商業銀行が貸付構造を最適化し、資産の負債管理を改善するのに好ましい条件を提供しました。しかし同時に、経営に圧力をもたらしており、これにより、商業銀行は過剰資金の投資をどうするか、真剣に検討を迫られています。

　第三に、商業銀行の経営改革の成果が現われ始めています。中国銀行、建設銀行、工商銀行は相次いで株式改革を行い、標準的な現代企業の管理システムを一応取り入れました。2005年、交通銀行と建設銀行は相前後して、海外での上場に成功し、国有商業銀行の改革が実質的な進展を収めたことを示しています。（つづく　王玉華）