中日関係は「政冷経熱」から「政冷経涼」へと変化していくのだろうか?こんな疑問が人々の関心を集めています。中国の薄煕来商務相はこのほど日本を訪れた際、この問題に触れて「中日関係は『政冷経涼』のレベルにまでは悪化していない」と明言しました。
確かに、靖国参拝問題は中日関係の政治的基礎を損ない、「政冷」の局面を招きました。しかし一方で、中日間の経済協力は、両国にとっていずれも対外貿易における重要な位置を占めています。日本の対中国投資は引き続き一定の水準を保ち、両国間の貿易も増え続けています。国交正常化の年の1972年には、10億4千万ドルだった両国の貿易額は、2005年には1844億5千万ドルに達し、34年間で170倍以上増えました。現在、中国は日本にとって2番目の、また日本は中国にとって3番目の貿易パートナーとなっています。また日本の対中国投資は20年間で総額540億ドルに達し、中国にとって2番目の外資導入先となっています。さらに、日本企業は中国で直接、或いは間接的に920万人以上の就業の機会を作る一方で、中国での年間利益高は海外総利益高の10%を占めているということです。つまり、中日双方ともメリットを得ているのです。
しかし、両国間の経済貿易活動に対して、「政冷」の影響がまったくないわけではありません。昨年、中日間の貿易の増加率は9.9%にとどまり、中国の対EU貿易、対米貿易の増加率を下回っただけではなく、一昨年より15ポイント減少しました。中日貿易が中国の対外貿易に占める割合から見ても、1994年は20%だったのに、2005年には7ポイント下がり、僅か13%でした。両国間の経済貿易の成長がやや鈍化したことがわかります。中国の諺に「良い友になれなければ、良い商売はできない」というのがあります。政治的な関係の行き詰まりと冷え込みが、多くの企業家の心理にも知らず知らずの内に影響を及ぼし、双方の根本的な利益に背く結果になることが心配されます。
歴史問題や靖国神社参拝問題は、中国にとって原則的な問題であり、感情の問題でもあります。中国は一貫して、前向きで友好的な姿勢を堅持しています。日本側の分析によりますと、中日両国の産業は80%以上が相互補完的なもので、競争的な関係は20%にも達していないということです。
日本の指導者による靖国参拝問題という最大の障害を一日も早く取り除き、両国間の経済協力のために、まずは良好な政治的環境を作ることです。そしてこれを基礎に、長期的な観点から、両国間の経済貿易協力を全面的に強めていく必要があります。特に省エネ・環境保護、中小企業および中国の中西部や東北地方の発展などの面では、中日両国間には大きな協力のチャンスがあるでしょう。
このほど行われた「中日省エネ・環境保護フォーラム」で、日本側は官民共に中国に対する経済貿易協力に取り組む熱意を見せています。これに対し、中国側も「中日経済関係は、困難を乗り越えて前に進む必要がある」という姿勢を明らかにしました。(06/16 「人民日報」より)
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