中国北方の港町・天津は、天津経済技術開発区を基礎とした開発区、保税区、港湾及び、都市の機能を一つにする開発区、製造基地、国際的な港湾センター、物流センター、居住に適する町・濱海新区の建設に努めています。

　区域内経済を大いに発展させることは今後、中国経済発展の重点の一つです。国家の区域経済発展計画の一部として、天津濱海新区は今年からその発展に関する5ヵ年計画を制定しました。この計画に基づいて、濱海新区は天津を土台にし、北京や河北省を起点として、東アジアや北アジア諸国に向けて、レベルが高く、近代的な製造、開発の基地を築き、中国北方の港湾センター、国際的な物流センター、居住に適する都市に建設します。

　これは天津濱海新区がこれまでの開発区を改め、区域の規模や機能の拡大を求めていることを示しています。これについて、濱海新区管理委員会の皮黔「ケン」生主任は「濱海新区は重要な都市機能を備え、経済発展の保障をすると同時に社会発展に重要な役割をはたすべきです。我々は都市化の課題を提出し、新しい都市化の道を堅持し、都市の企画や建設、管理のレベルを高めていきます。」と語っています。

　濱海新区の建設計画の制定は1990年代の半ばから始まったものです。それから、天津は、天津経済技術開発区、天津保税区、天津港の建設を進めてきました、十数年余りの発展を通じて、その建設はいずれも大きな成果を収めました。例えば、天津開発区の製造業の規模はすでに上海浦東開発区を超えました。

　こうした状況の下で、これら3大区域間が協調の取れた統一した発展を求め、相互の連繋を強化させ、業務の無駄を減少し、仕事の効率を向上させることは濱海新区の目標の一つとなりました。

　中国国家情報センター経済予測部の範剣平主任は　 「濱海新区は次の段階で、北方地域の牽引車となる役割をはたしていきます。最も重要なのは、北京、天津、河北省及び渤海湾地域の総合的な発展の中で、役割をはたすべきで、経済的な連繋が必要からです」と話しています。

　これからの5年間、天津濱海新区は港や保税区が総合的な優位性を十分に発揮し、国際港湾、貿易の面における役割をはたし、港を中心とする陸海空の物流輸送システムの構築に尽くし、天津コンテナー取扱いセンター、貨物輸送センター、保税区など6つの物流拠点の建設を速めていきます。

　天津濱海新区は国務院へ提出した計画の中で、「濱海新区を世界における先進的かつ開放的で、機能の多い近代化した経済新区、社会新区、生態新区、総合的な改革を行う実験地区を建設し、天津の発展を導き、渤海湾地域の経済振興と社会事業の全面的な発展を促すことを明確にしています。これについて、濱海新区管理委員会の皮黔生　主任は「現在、政策の優位性だけで、投資の方向を決められない段階になった。すでに、開放によって改革を促し、発展を求める新しい段階に入りました。改革、開放、刷新という総合的な効力で発展を求めなければなりません。このため、濱海新区は一部の重大な改革開放措置の実験を進める必要があり、重点分野及び重要な部分で大きな進展を上げなければならず、名実にかなう総合的な改革の実験区になるために努力していく決意です」と述べました。

　この計画に基づいて、2010年までに濱海新区の生産総額は3200億元に達し、一人当たりの生産額は2万1000ドルに達し、対外貿易輸出総額は350億元、財政収入は500億元に達する見込みで、これは2004年の天津市の財政収入総額に相当するものです。天津市発展改革委員会の李亜力主任は濱海新区の今後の発展力について　　「濱海新区は今後の発展で国家の優遇政策や資金の援助に頼ってはならず、自ら努力し、新しい構想、新しい体制、新しいメカニズムを確立して、発展を速めていくつもりです」と述べました。