国家の発展戦略に組み入れられた天津経済技術開発区濱海新区は、地理的な優位性や港湾の機能、国家の優遇政策を利用して、自らの実力を充実にし、近代化した交通システムの確立を速め、先進的な国際港運、物流センターを建設する計画で、地域のサービス機能を絶えず強化しています。そこで、今日はこれについてお話をしましょう。
天津濱海新区都市建設企画展覧館に入ると、大きな模型が見えます。この模型を見ると、これまで荒れ果てた塩田の上に、塘沽国家海洋ハイテク開発区、大港化学工業生態工業区、漢沽沿海都市型農業観光区のほか、建設中の臨港工業区、空港物流加工区、国際貿易港運区などが並んでいます。南開大学の都市と地域経済研究所の劉秉鎌所長は「この塩田は濱海新区にとって、今後、港運業と物流業を発展させる基礎となる」と見て、次のように話しています。
「濱海新区はこれまでの発展を通じて、大きな総合的なサービス機能を持つようになった。まず、天津港は濱海新区にあり、天津港は中国北方の最大の港である。そして、濱海新区は十数年の建設を経て、相当な規模を備えた。濱海新区は現在、1000平方キロ余りの塩田があるが、今後の発展に広い空間を提供した」
十年前、天津港の貨物の取扱量はわずか、3700万トンでしたが、去年はすでに1億6000万トンに達しました。天津港は港湾機能を拡大するため、30万トン級の深水航路や、近代化したコンテナ埠頭、新しい保税港などを建設する計画です。2010年までに、天津港の取扱量は3億トン以上、コンテナの積み下ろし量は1000万個に達する計画です。
天津港の支援の下で、国際貨物輸出入の通路として、濱海新区のもう一つの機能区・天津港保税区は現代物流に手本を示しました。国家の関連優遇政策によって、国内外の投資家は天津港保税区であらゆる所有制の企業を設置し、国際物流業に取り組んでいます。現在、天津港保税区の外資利用額は全国保税区の50%近くを占めています。これについて、天津港保税区の王富強副主任は、「現在区域内には3000社余りの国際貿易会社と500社余りの物流会社があり、100余りの国と地区と貿易往来を行っている。現代化物流は区域経済の急速な発展を推進させ、保税区の基幹産業となっている。」と語っています。王富強副主任はまた「中央アジア地域と新疆地区の綿花、トマト、内蒙古のカシミヤ、そして、ヨーロッパ、アメリカ、日本と韓国の自動車とその部品はほとんど天津保税区を通って、配送した。天津保税区は自動車部品、電子通信、機械、石油化学、建築材料、綿花など国際商品の買い付けの市場となり、国内の最大の食用品の加工基地とトマト製品輸出加工基地でもあります。新疆や内蒙古、黒龍江省などのトマトや大豆、カシミヤなどは天津保税区で加工後、輸出されている」と述べました。
現在、濱海新区で、国家民用航空科学技術産業化基地の建設も進められ、濱海新区の今後の港運と物流業の発展に多くのチャンスをもたらすでしょう。これと同時に500億元が投入された交通システムは濱海新区と周辺地区との距離を短縮しました。これについて、濱海新区管理委員会の皮黔生主任は「保税区と港湾の機能は開発区の中心とした競争力を強化した。天津は中国の北方における、ヨーロッパやアメリカなどの多国籍企業の投資の重点となっている。そして、資金や技術、人材、通信、資源の調整によって、北方の中心都市とする機能と優位性を大きく発揮させている」と述べました。
濱海新区は今後の発展の中で、インフラ設備を絶えず改善すると同時に、サービスの質を向上させ、世界各国の企業に港運と物流サービスを提供することが期待されています。(担当:董燕華)
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