現在建設中の天津経済技術区の濱海新区は首都北京から僅か160キロ離れたところにあり、北京との協力には良好な自然条件に恵まれています。このほど、濱海新区や北京市関係部門の要人及び経済専門家は濱海新区に集り、濱海新区と北京との経済協力について幅広く討議しました。
ここ数年、中国では、地域間の経済協力と貿易が絶えず強化されてきました。濱海新区と北京の協力は、発達した道路網によって、経済コストが大いに減少されました。これについて、北京市海淀区の周良洛区長は「科学研究や、技術、人材、土地などの面でそれぞれの優位性、市場メカニズムや政府の指導に基づいて、資源の調整と配置の改善を促し、地域間の資源共有と協力を実現させるべきです」と強調して、次のように話しています。
「行政区画と経済の一体化は基本的な矛盾であり、地域間の協力を制約する根本的なものでもあります。観念を転換させ、相互の壁をなくし、政策を統一させ、統一的な計画を行なうことが我々にとって、当面の差し迫った任務です。珠江デルタ地帯や長江デルタ地帯と比べれば、北京と濱海新区の協力は大きな試練に直面しています。まずは国有経済の占める比率は大きく、生産力が低く、土地のコストが高いほか、経済総量を高めなければなりません。そして、関連経済と下請け産業が少なく、互いに補う産業システムが確立されていないことです。さらに、行政が分割されている上、市場と体制の障碍が存在し、資金や、人材、技術など市場流通と、政府間の協力は一段と強化する必要があるのです」と語りました。
現在、濱海新区と北京は、一部の産業の発展で、多くの共通点があります。この点について、濱海新区経済技術開発区管理員会の李勇主任は、北京と濱海新区の資源調整は優位性のある産業の発展にプラスとなると提出し、次のように強調しています。
「地域間の協力を強め、産業の共同発展と付属産業の拡大を促すべきです。例えば、濱海新区と北京開発区の携帯電話の生産量は合わせて1億個にも達し、全国生産量の40%ぐらいを占めています。北京と天津は現在、中国の携帯電話の生産基地だと言えます。我々の目標は、この生産を拡大し、技術レベルを高め、通信設備の生産企業を我々二つの地域へ集中させることです。」
濱海新区と北京との協力について、経済専門家は「今後の数年間に、この地域建設の中で、交通や生態系、産業の発展について統一した計画を実施し、地元の優位性を発揮させ、合理的な資源配置と生産の面での相互補完と、最大化の資源利用を実現させるべきです」と見ています。
中国国務院発展研究センターの李善同さんは「中国にはいくつかの貿易中心地があります。例えば、広東省、長江デルタ地区などのほか、北京と天津は最も重要な地区です。この観念から見れば、北京と天津の発展は国内貿易にとって、非常に重要であり、地域間の協調にも重要な役割を果しています」と述べました。
このため、李善同さんは都市の企画と機能を一段と協調させ、都市の配置を改善するほか、それぞれの優位性を発揮させ、分業が合理的で、協調の取れた発展を図る専業化と近代化された地域産業システムを確立すべきです。また、総合的な交通輸送システムを完備させ、通勤列車や、高速列車、地下鉄を主とする交通網を出来るだけ速く整備し、金融業の協力を強め、経済発展のために支援を提供していくべきです」と話しました。
天津港有限公司の于汝民社長は「港、特に国際貿易港は伝統的な交通輸送の中軸から国際資源を配置する中軸となり、区域経済の発展を促し、地元産業の構造改善にとって、重要な役割を果しています。天津港は濱海新区の重要な一部分であり、天津の最も大きな優位性を持つ戦略的な資源でもあります。 港湾の優位性を十分に発揮させるべきです」と語りました。(担当:董燕華)
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