「ういー!食った!食った!焼いたほうが煮たのよりうまかった」
と書生は何とか庭を片付け、部屋に入って寝てしまった。もちろん、家の人々はこれを知っていたが、書生が気が短く頑固なことは昔からで、いくらいっても耳を貸さないことを知っており、黙ってみているだけ。
さて、次の夜は何も起こらなかった。そこで書生が「さまあみろ!」と喜んでその日は酒を飲まずに寝てしまった。ところが翌日の夜、今度はかなり小さな、それも百匹以上はいると思われるがまガエルが窓から入ってきて、書生の部屋中に這い回った。その鳴き声のやかましいこと!!
「なんだ!なんだ!私は耳が聞こえるぞ!やかましい!それにしても、今夜は大勢来やがったな!私は恐れてないからな!」と、今夜は麻袋を持ち出し、これまでよりも早く動き、汗を流しながら、カエルたちを捕まえると袋に放り込み、口のところしっか結ぶと、それを庭にもっていって、地べたに何度も何度も投げつけ、かの槌で袋を思い切りたたき続けた。こうして袋の中のカエルに動くやつがいなくなったとみると、書生は、袋の中のカエルを出し、やはり包丁で下ごしらえし、今度は塩と唐辛子を加え、しばらく置いて肉に味がついてから、これまで使った串に肉を刺し、やはり、庭で火を起こして肉をあぶり始め、焼きあがったものから、酒と一緒に食べ始め、なんとか半分は食べた。そして残った肉は串からはずし、多くの塩を入れて瓶に放り込んだワイ!もちろん、書生はそのあと寝てしまった。
このときから、書生の部屋にはがまガエルは出なくなった。
「ふん!とうとうあきらめやがったか!相手も、私がカエルを食べてしまうとは思わなかっただろうに!」
もちろん、これを知った友だちらは、この書生を褒め称え、書生の家族も、そのときから書生を大事にし始めたという。
え?残ったカエルの肉の塩漬け?いやあ、本にはそこまでは書いてありまんでした。はい。
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