
青海チベット鉄道が去年7月に開通してから、海外から多くの観光客が訪れています。中国で最大な内陸湖である青海湖に住んでいる夸什才さん一家は標高3000メートルの高いところに住んでいます。ここは五月に入ったにもかかわらず、川にはまだ氷が張っています。そして草原はまだ黄色に覆われています。お客さんが来ると、夸什才さんはいつも家の前に立って、白いハーダ(帯状の絹布)をもってお客さんを出迎えます。中国のチベット族では白は最も美しい、尊い色だとされています。新年の1日に、ミルクの入った水で顔を洗うと、1年中ラッキーになるといいます。また大切なお客さんをもてなす時は、お客さんに祝福の満ちた白い「ハーダー」を贈ります。夸什才さんの家は九つ部屋があり、全部ガラスで密閉されています。だから、外は寒くても、部屋の中に入ると、温かく感じます。また応接間はとても広く、明るく、高級な電気製品と新しい流行の家具がすえつけられています。長い茶卓にはお菓子などがいっぱい並べられています。今年57歳の夸什才さんはこのように草原の生活や故郷の変化を話してくれました。
夸什才:私は1989年からここに定住し始めました。私の家族はずっとテント生活をしてきたので、初めは定住生活に離れませんでした。現在そのよさが身にしみて分かりました。定住生活を始めてから、食べ物の取り合わせも変わりました。昔は一日中、羊や牛の肉、そして麺類などばかり食べていたのですが、今は野菜やほかの麺類も食べるようになりました。生活の質も随分向上したのです。
夸什才さんの家は町の中心地から離れていますので、羊を飼うときに使うガラスの温室ハウスが夏になると、牛や羊が牧場で草を食べるので、彼は空いていたガラスのハウスで野菜を栽培しました。これは自分の家の分をまかなうだけでなく、隣近所にも送り、喜んでもらっているそうです。羊や肉を主とした食習慣が変わってから、ここの人々がかかりやすい胃腸炎や関節炎は随分減ったそうです。夸什才さんのお嫁さんの話です
お嫁さん:ここ数年、われわれ草原の牧畜民の生活には大きな変化がありました。私の家は昔遠い山奥に住んでいて、しかもみんな分散したところに住んでいました。今政府の援助と自分の努力で、全ての牧畜民は定住できるようになりました。また去年政府はわれわれに電気を引き、水道を敷設してくれました。
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