2008年が近づくにつれて、中国北京市の各準備活動は積極的に行われています。人文オリンピックの一つとして、ここ数年、北京市文物局は文物保護の度合いを強めています。ここ数日、18の文物保護機関は保護条件の改善が求められました。北京市文物局の孔繁峙局長は「北京市の文物は北京オリンピックの開催に良好な文化環境を提供しなければならない」と述べました。
北京は850年の都としての歴史を有しており、文物や古代建築は市の各地に点在し、各クラスの文物保護機関は2000ヵ所あります。これらの文物は年代が長く、また大部分は中国の伝統的建築である土木構造のため、一部の文物は依然として、破損あるいは消防施設や避雷施設不備の状況にあります。2000年、北京市は文物修繕プロジェクトをスタートさせました。このプロジェクトとは北京市政府から3億3000万人民元を調達して、三年間にわたって、文物の保護や修繕に用いられます。これは中国文物保護史上できわめて珍しいものです。
この3億3000万プロジェクトが終わったあと、北京市は2003年から人文オリンピック文物保護計画を実施し、投資総額は6億人民元に達していて、文物保護の質を高めようとしています。この計画に基づき、補修の強化や避雷針の取り付け、消防施設および排水施設の整備などを通じて、文物の安全面での危険を避けようとしています。北京市文物局の孔繁峙局長は「文物建築は首都文化環境の重要な構成部分であり、オリンピックの開催に伴い、文物保護問題はオリンピックに文化的環境を作るべきである」と述べました。
北京市文物保護の成果は目立っているものです。1954年壊された老北京南の門である永定門は修復され、北京市中軸線としての建築を回復しました。中軸線は北京市の都としての思想や文化などを反映したため、中軸線は北京市にとって重要な意義を持っています。世界遺産の故宮、周口店北京原人の遺跡、天壇公園、長城などは重点的に保護されたほか、北京市の特色ある四合院は保護区に指定されました。このような文物の保護の例は数え切れません。一年ぶりに北京を訪れた人は北京の変化に驚いたとのことです。
北京市文物局の于平副局長は「文物保護は政府部門の事情だけであるだけではなく、社会の民衆の参加も必要である」と述べたあと、「ここ数年の経済情勢の発展に伴い、国が文物保護のための資金を出せるようになった。もう一面、多くの人々、特に全社会はこうした認識に達した。つまり文物保護が歴史の責任であり、また社会の責任でもある。これは文物部門の職責だけではなく、社会の発展と進歩に伴い、このような雰囲気もだんだん形成されるだろう」と述べました。
社会経済の発展に伴い、中国の民衆の文物保護意識は絶えず強化されています。例えば、北京市円明園は300年の歴史を持つ皇室の園林であります。19世紀の末、20世紀の初めは外国侵略者に二回も壊されました。今の廃墟の中から当時の円明園の輝かしさが伺えます。円明園の遺跡は北京市の重点文物保護機関で、二年前の補修保護の中で、円明園の湖底の滲み防止の工事は環境破壊の恐れがあるため、民衆の議論を招きました。このため、責任者は何回も計画を練り直しました。
北京市文物保護の短期目標は2007年末までに、文物安全の全体的な情勢が全面的に改善され、2008の年北京オリンピックになると、北京市文物保護機関は全部開放されるとのことです。
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