
今年は中日文化スポーツ交流年であり、また中韓交流年、中国ロシア年、中国スペイン年でもあります。今年は中国にとって、外国との交流が盛んに行われる年になります。中国と日本の文化交流は二千年以上の長い歴史があります。中国と諸外国の文化交流の中で、一番長いものとも言えます。中国の漢字と仏教が日本に伝わり、隋、唐の時代には日本は遣隋使や遣唐使を中国に派遣して、中国の文化を勉強しました。また近代には中国の孫文や魯迅、周恩来元総理など多くの優れた指導者が日本の先進的な文化、思想を勉強して、帰国してから中国で大きな力を発揮してきました。
日本などアジアの国々のほかに、中国は西洋の文化との交流、融合も積極的に行っています。特に最近、フランスとの文化交流が話題になっています。今年の4月から6月まで、中国の14の都市で、フランスの音楽祭や映画祭、写真展などが開催されて、市民の関心を呼んでいます。フランス文化に関心を持っている中国人にとって、ロマンチックな春になりました。フランスとの文化交流といえば、2004年にも、中国フランス文化年が開催されたことがあります。このとき、フランスの音楽が中国で多く紹介されましたので、フランス文化は中国人にとってなじみのあるものになっています。今年5月も、北京で芸術フェスティバルが行われた際、フランスのジャズ音楽会や絵画展、オペラ劇などが開催されていました。

今回は、中国伝統音楽との融合ということで、非常に斬新な企画だったんですけど、出演者の方々にとっても、新鮮な経験だったようです。琵琶を担当した、上海出身の演奏家・潘娥青さんは「そうした異文化の音楽とのコラボレーションは初めてだ。各楽器の特徴が生かされ、全体的にうまく溶け合っていた。」とおっしゃっていました。一方の、フランスのリヨン打楽器団の方にもお話を伺いしました。芸術プロデューサーのジェラード・レクエントさんは、中国での反応を次のように話してくれました。「中国の観客は、ヨーロッパの音楽に詳しくて、愛好者が非常に多い。中国の音楽も、また豊富多彩である。われわれも中国の音楽がすきだ。形式がだいぶ異なるので、演奏はできないけどね」と話しました。ジェラードさんは、今回、中国での滞在期間が1,2週間しかないことを非常に残念に思っていらっしゃいました。しかし、毎年春と夏に中国でコンサートを開いているので、今後じっくり中国音楽の奥深さに触れていきたいと話してくれました。
今回のようなフランスとの交流イベントが、中国ではここ数年、非常に盛んに行われているんですよね。北京にある有名な中山音楽堂でも、2004年から毎年夏、「音楽のドアをあけよう」という音楽イベントが開催されています。

中国とフランスの文学界の交流はもっと前から行われていました。19世紀から、フランスの著名な文学作品が、中国語に翻訳されて紹介されてきました。
このたび、北京のフランス文化センター、江蘇省の都市・蘇州にある古典園林という庭園と協力して、中国・フランス両国の詩人や文学者、翻訳家に交流のチャンスをつくる取り組みをしています。庭園では、両国の詩人が詩を朗読したり、画家が絵を描いたり、写真家が写真を撮影したり、盛んに創作活動が行われています。フランスの詩人ジャン・クレードさんは七十年代から中国に関心を持ち始め、中国の詩について研究を始めました。彼は特に、中国の唐の時代の有名な詩人・白居易の詩が好きです。

中国の大学でも、中国とフランスの交流が行われていました。このほど、中国の映画人材を養成する北京電影学院では「旅行」をテーマとした写真展が開かれ、多くの学生が来場しました。写真展を見に来た学生は「このような活動は、異文化同士の相互理解を深めることができる」と話しました。

中国はここ数年、外国との文化交流を盛んに行っていますが、交流はまだまだ十分とは言えません。いろいろな交流を通じてこそ、真の心の理解ができます。これからも、交流が盛んに行われるよう期待します。
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