中国東北部の吉林省九台市に、新立村という朝鮮族の村があります。この村の朝鮮族の世帯は489世帯、人口は1800人あまりです。1970年代、朝鮮族の人は外国に親戚がいること、また言葉が通じるという優位性を発揮し、海外にどんどん出かけています。村の責任者の朴徳勝さんは「改革開放当初、一部の人は外国に出稼ぎに行くようになり、最初は韓国で、その後、だんだん増えていった。1997年になると、70%以上の人は外国で仕事をしている」と述べました。
一部の村民が出かけるようになり、次々と送金されました。また村に残っている人は知恵と力を絞り、共同で養殖業、栽培業を起こしたりして、豊になりました。村の張悦強さんは「我々が栽培したのは経済作物。養殖したのはブタ。ブタの品種は北京から導入したもので、アヒルは金定鴨、この金定鴨は温度が適時で、一年を通して、卵を産める。」と述べました。
豊になった村民の居住条件と生活環境は日々変化しています。金奉祚さんの家を訪ねると、部屋の構造は正真正銘の朝鮮族の伝統を保っていますが、施設は現代的かつ環境保護的です。金奉祚さんは記者に自分の部屋の構造についてこのように紹介してくれました。
「この部屋は合わせて130平方メートルある。これは地熱で、オンドルがないため、ボイラーを沸かすと、部屋全体は熱くなり、台所、お風呂、床などは全部熱い」と述べました。

新立村では、電話、テレビ、ケーブルテレビ、オートバイなどはいたるところで見かけられます。ここ数年、村民の家にはまた一つのものが増えました。それはコンピューターです。趙雲龍さんは遼寧大学で二年、自費でコンピューターを勉強しました。多くの村民はコンピューターを買うとき、彼に伴ってもらいます。趙雲竜さんは「1997年から相次いで彼らをつれて、コンピューターを買いに行き、これまで4、50台ぐらい買ってきた。ほとんどの家はブロードバンドでインターネットができるようになった」と語りました。
現在、物質条件の改善に伴い、新立村の村民は文化生活を求めるようになりました。
今の太鼓の音は新立村の村民が奏でるもので、これは新立村の年配者協会の舞踊です。男性たちは黒い刺繍入りのチョッキと白い長袖のシルクの服を着て、赤い太鼓は胸の前にかけ、太古のばちによって、激しいメロディーを奏でました。この太鼓の音に伴い、カラーの長いスカートを穿いて、蝶結びをしている年配者協会の女性たちは扇を持って、踊っています。

この新立村では歌ったり、踊ったりすることは目新しいことではなくなりました。
新立村年配者協会は20年あまり前に誕生し、現在会員は200人います。尹光浩協会長は「村の若者の多くは出稼ぎに行った。晩年の生活をどうやって過ごすのか村の幹部が考慮する問題となっている。協会が自然と誕生した」と述べた後、「目的は年配者たちが一緒に遊ぶことである。例えば、踊りや球技などである」と話しました。
年配者活動室の壁には2007年の協会の活動のスケジュールがあります。12月まで毎月活動が行われます。これだけではなく、ゲートボールやトランプ、将棋、絵画、ピックニック、小型スポーツ大会など目白押しです。柳鳳順さんは「村の老人たちが年配者協会の活動に熱中しており、毎回の活動には積極的に参加している」と述べ、「年を取っていくのは早い。年を取りたくないので、楽しく生きたい。若いとき、随分疲れたので、年を取ってから、少し余裕もできたので、生活をたのしみたい」と語りました。
生活に余裕ができてから、新立村の村民たちの気分もよくなりました。この村の村民はまるで一つの大家族で生活しているようです。またこの家庭の民主化も人々の評判を得ました。趙雲竜さんによると、政務の公開、事務の公開、財務の公開などが含まれているということです。「政務公開は主に選挙の公開である。村民の利益に関わる重大な事務は公開すべきである。財務の公開は村の支出と収入の公開である」と述べました。
趙雲竜さんは「村の入り口に掲示板がある。村民は掲示板に行く習慣がついており、村の出来事がわかる」と語りました。
この村は将来、住宅区、生活区、活動区、風景区などを備える新しい村になるでしょう。
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