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(五)「うずくまった男」ー1
   2007-05-22 13:45:32    cri

 今度は、唐の時代の「宣室誌」から「うずくまった男」です。

 「うずくまった男」

 時は、唐の開成年間。河東郡のある下役人がいつものように夜回りをしていた。この日の夜は晴れで月が出ており、下役人が景福寺というお寺のまえまでくると、一人の男が門の近くに両手で膝を抱きうずくまっているのが見えた。それに男は全身が黒く、動く様子はない。そこで下役人が聞く。

 「おい!おい!そこの男、こんなところで何をしておる?」

 しかし、相手はこれには答えずうずくまっている。

 「おい!こんなところで何をしているんだと聞いておるのじゃ!何とか返事せんか!!」

 それでも男は黙ったまま動かない。怒った下役人は男の頭を手にしていた棒で軽く叩いた。すると男は初めて下役人のほうを見た後、ゆっくりと立ち上がった。みると、男は六尺以上の背丈があり、真っ青な顔をして骸骨のようにやせこけているので、下役人はびっくりしてその場で腰を抜かしそうになった。

 「お、お、お前は何者だ!!?」と下役人は必死になって言ったあと、なんと気を失ってしまった。

 どれぐらいたっただろう。冷たい風が吹き、それに目が覚めた下役人が、周りを見ると、誰もいない、そこでさっきのことを思い出し、わなわなと震えながらやっとのことで這い上がり、怪我でもしたのか、右足を引きずりながら役所に戻り、あたふたとこのことを同僚に告げたという。

 さて、それから何年かたったある夏に、かの景福寺の門が壊れたのでそれを直すことになり、基盤を固めるため門を取り払い、そこを掘ったところ、なんと大きな古い漆塗りの桶が出てきた。そして中からは六尺はあろうと思われる真っ青になった木乃伊みたいなものが出てきた。これを見たみんなはびっくり。ちょうどその近くにある店でお茶を飲んでいたかの下役人、このことを聞きさっそくその場へいって、その木乃伊を見たとたん、また気をうしなってしまったそうな!

 そろそろ時間のようです。では、来週またお会いいたしましょう。

中国昔話
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