「樹の皮」で作る服。考えてみれば、ずいぶん昔のことのような気がします。確かに、昔、漢民族の紡績技術が伝わってくる前、南の少数民族ダイ族やハニ族、ジーヌオ族などが樹の皮で作った衣服を身にまとい、樹の皮で作った布団を掛け、樹の皮でつくった盛り物などを使ったりしていました。その歴史は千年以上前にさかのぼります。
社会の発展に従って、「樹の皮」で作られた衣服や日用品は人々の生活から消えていきます。それに気がついたのは、ハニ族の張衛平さんです。張さんはお年寄りの職人を訪ねたり、自分でいろんなテストをやったりすることより、「樹の皮」の達人となりました。彼自身も本名の代わりに「張樹皮」と呼ばれるようになりました。
一枚の「樹皮衣」を作るには、1カ月もかかるそうです。まず、森に入って、中ぐらいの「箭毒木樹」という木を切って、水の中に浸します。そして、たたきながら、樹の皮を木から剥きとり、さらにたたくことと水に浸すことを数回も繰り返し、毒がある汁を全部出しきってから干します。それから服を作る作業に入るということです。
ちなみに、ハニ族の人口は144万人、主に雲南省南西部の礼社江下流、紅河西側の哀牢山岳地帯に住んでいます。言語はハニ語で、また、哈雅、碧触、豪白の3つの方言に分かれています。もともと自民族の文字がなかったのですが、1957年にローマ字を基礎としての表音文字がつくられました。(編集:藍暁芹、写真の一部:雲南日報網より)
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