4月12日から15日にかけて、中国雲南省に住むダイ族は、最も大事にしている祝日ーー水掛祭りを迎えます。これはダイ族の新年でもあります。新しい年に厄を払い、すべてが順調にいけるようという願いを込めて、人々は水を掛け合います。また、この期間中、龍船競争(ペーロン)や高昇(ロケット花火)、刺繍した小さな包みを投げて愛を告白するディュー包などをします。
今年、新年とされている4日間の一日目・12日は、日本の大晦日に当たり、13日と14日は、「空日」と呼ばれ、「ゆく年に属しないし、くる年にも属しない」という意味の空白の日です。この2日間、自由に遊びます。そして、最後の日は、ダイ族の元日で、一年の中で最も賑やかな日で、水掛けをやります。
水掛けにまつわる次のような言い伝えがあります。
昔々、ポンマディアンダラザという神様が農業のことを管理していました。しかし、ポンマディアンダラザはあまりにいい加減で、気の向くまま、雨を降らせたり、気温を下がらせたりしていました。世間はそのでたらめさにとても困っていました。その時、インダティラという神様はあまりにもひどいと思って、ポンマディアンダラザを処罰する方法を考えてみました。結局、ハンサムな青年に化かして、ポンマディアンダラザの七人の娘さんのところに行って、お父さんの悪行を告げました。七人の娘さんは世間の人々のために、お父さんを殺すことを決心しました。お父さんと気楽におしゃべりをして、お父さんの口から、致命の方法があることを知りました。それは、お父さん自らの髪で作った「弓」と向えば、絶命することです。
ある日、娘さんたちは、お父さんにお酒を飲ませ、熟睡させた後、お父さんの髪をかきぬいて、「弓」を作りました。そして、それをポンマディアンダラザに向けると、彼の首は断たれました。その頭は地に落ちれば、火災が起きます。火災を起こさないため、娘さんたちは、交替でポンマディアンダラザの頭を抱えました。頭が臭くなるまで抱えていました。交替した娘さんは、よく水掛けをし合って、体を清めました。その後、人々は、娘さんたちを記念するため、水掛祭りを行うようになったということです。
ちなみに、ダイ族の人口は約103万人。 主に雲南省西双版納、徳宏、孟連に住んでいます。表音文字のダイ語を使っています。 その多くは小乗仏教を信奉しています。(担当:藍)
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