中国西南部雲南省双柏県の住む少数民族・イ族は毎年、旧暦のお正月の8日から15日まで(今年は西暦の2月25日から3月4日まで)「虎笙節」というお祭りを迎えます。
特に、双柏県法ひょう鎮は、2006年6月、国から「民族民間の芸術の郷」と指定されました。地元のイ族は、日本や韓国、フランスなどの国で「虎のダンス」を披露し、好評を博しました。
イ族の祖先は山の密林の中で住んでいたため、常にヒョウやニシキヘビなどの恐怖に直面していました。地元の人々は何か防ぐ方法がないかと一生懸命に考えた結果、狩猟で得た虎の皮をむいて、身にかぶせて「虎のダンス」を踊ることにしました。それによって村が動物の王様--虎に見守られて、安全でいられました。農作物の収穫が保障され、牛や羊なども無事で、村にめでたい光景が現れました。その後、彼らは「虎のダンス」を代々伝えてきました。
お正月の8日、祈祷師の占いで8人の男性が選ばれます。 この8人のは裸になり、 顔や足、手には虎の紋様を描き、化粧して虎の姿になります。そして、生産や生活、さまざまな踊りによって、たたりや悪事を払いのけます。まだ2月ですが、暖かい南にいるので、裸になってもあまり寒さを感じません。
次の日、つまり9日からは、一日に1頭ずつ虎を増やしていきます。15頭の「虎」がそろった15日の夜、老若男女を問わず村全体は1年の豊作や安全を祈り、狂喜の一夜を過ごします。
(編集:ラン)
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