中国人は宴会などでは人に酒を勧めるのが好きで。これま昔からのようです。「詩経・小雅・楚茨」という本には、客が十分飲み食するようにと酒食を勧めるという文句があります。これは文句じゃない。すみません。こういう風にかいてあるんです。人に酒を勧めるのは、相手に敬意を表し、相手が十分に飲み食いすることを望むと同時に、宴の雰囲気をも高め、酒肴をよりおいしくさせるというもの。ところがいつごろからでしょうか?酒を勧める度が過ぎてしまい、かなり強制的に酒を勧め、相手を酔わしてしまい喜ぶという悪習が出てきたようです。もちろん、昔の有識者はこれに反対してきました。彼らは、宴席で人に酔うまで酒を勧めるのはよくない。酒というものはそれぞれ飲める分量というものがあるから、それに基づき飲んだり飲ましたりするべきだ。教養のないものは、よく人に酔うまで飲ませ、泥酔させて喜んでいるが、これはよくないというような意味のことを言っています。これは昔の人が言ったのですが、今でも、何とかかんとか理屈をつけて相手に酔うまで飲ますということはあるようですね。私も時々外食してこんな状況を眼にします。もちろん若い人に多いようですが。
「おう!久しぶりだからちゃんと飲めよ」
「飲むのはいいけど、俺はあまり飲めないのでほどほどにしないと。あとで帰れなくなっちゃうよ」
「安心しろ。あとで俺がタクシーで送っていくからよ」
「でもよ。ホントに俺はこれ以上飲めないよ。」
「何いってんだよ!ほら、俺はもう杯を空けたんだよ。この俺をホントに兄弟とみなすなら、酒を飲んでしまえ、さもないともう付き合わないからな」
「そんなこというなよ。わかったよ、飲むから。飲めばいいんでしょう」
「おうおう!そういうことよ。お前はまだいけるや。もう一杯行け!」
とまあ、勧めるほうは勧められるほうより勧めるんでしょうが、これじゃ、楽しい酒がまずくなり、雰囲気が台無しになる上に、一方が酔っ払ってしまい、あとが面倒になりますよね。
ところで宴会で人に酒を勧める光景をよくみますね。
「おう!趙さん、久しぶりだね。ま、再会を祝って、まずは乾杯!」
「はいはい、再会を祝って乾杯!」
「ういー潤オうまいね。この酒。」
「そりゃあ、そうだよ。この酒はこの地方では最高のモンだからね」
「なるほど」
「さ!趙さん。どんどんやってくれ。今日はべろべろになるまで飲もうよ」
「え?べろべろになるまで?李さんは相変わらずだね。それにホントに久しぶりだね。李さん、もう二年ぐらい会ってないかな。おっとっと!酒がこぼれるよ。じゃ、頂こうか、むん!うまいね」
「そうだろう。この酒はこの地方では一番のものでね。いくら飲んでも頭に来ず。二日酔いは絶対になしだってさ。」
「へ-!そうかね、じゃあ、あまりの飲めないが、今日は普段より多めに飲むか」
「そうしなよ。それに、今日の肴は趙さんの好物のカニだよ。趙さんは昔からカニが好きだったみたいだね。」
「へへ!よく覚えてくれてるね」
「だろう。酒よし、肴よしでたっぷりやってくれよ」
というわけで、暫くして趙さんだけでなく、李さんも酔っ払ったりしてね。
ま!酒を勧めるのはいいのですか、酔わないように自分をコントロールするのは大切なことであり、相手を酔わせるまで飲ますのはいいことではありませんね。
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