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酒の匂い
   2007-03-05 11:28:34    cri

 いつのことかはっきりわからん。そこは毎年のように首吊り幽霊がでるという地方だった。一本の川が流れ渡し舟があり、その舟の船頭は無類の酒好きで、ある夜、船頭は酒を食らった後ぐっすり寝ていた。やがて夜半になり、向こう岸から呼ぶ声がする。「船頭さん、船頭さん」これに目覚めた船頭が起きて着物をまっとって船倉からでてみると、月の光で見えたのは向こう岸の船の乗り岸に立った白い布をかぶった女だ。「何だ?こんなときに河を渡るってのか?ま、俺もこれが商売だから、渡してやるか」船頭はこう思い早速舟をこぎ向こう岸につけた。すると女は「船頭さん、遅くなってごめんなさい。ホントに助かった」といて舟に乗ってきた。そこで船頭は船をこぎ、向かい側の岸に着くと女は何も言わず舟を飛び下り、東の方へ、少し変な歩きかたして去っていく。「なんだ?こんな夜中に若い女が一人でどこにいくんだ?それにあの歩き方、おかしいぞ!よし、起こされたついでに後をつけてみるか。おっと、酒がなくちゃ、おいらは肝っ玉が小さいからな」と船頭は、急いで船倉に入り、ひょうたんを振ってみるとまだたっぷり酒が入っているのでそれを腰にかけ、舟を飛びおり、酔いがさめていないにもかかわらず女の後をつけ始めた。そしてしばらく行くと村があった。村のはずれに一軒のわらぶき屋根の家があり、小さな門があって門には月の光で赤い紙で対聯が張ってあるのがわかったので、どうもこの家は嫁を娶ったばかりらしい。かの女はこの家の門に近づき、なんとそれを開けずに入っていったではないか?「ありゃ?あ、あれは人間じゃなあねえぞ!きっと幽霊かなんかだ!人間だったら戸をたたくだろうに。これは大変だ」と船頭は、手遅れになってはいかんと自分は、すばやく塀を乗り越え、家の庭に音もなく降りた。すると、かの女が、二つある母屋の一つの中に音もなくスーッと入っていったではないか。

 「あれは確かに幽霊だ!なんとかしなくちゃ!」と自分を励ますため、あわてて腰にかけたひょうたんを手にし、蓋を取ってがぶりと一飲みしたあと、その母屋の窓の下にいって指に唾をたっぷり着け障子の紙に穴を開けて中を見ると、部屋には灯りが付いていて、夫は出稼ぎなのか若い妻らしいものが、一人で起きていて針箱広げて縫い物をしていたが、そのうちに縫い物やめて急に「あーあ!生きていてもつまらないわ!死んでしまおうかしら」と言い出し、縄を取り出し梁にかけ結び、それに首をかけて首を吊ろうとした。慌てた船頭、戸に行って力いっぱい戸を蹴り破った。すると部屋の隅にいた幽霊は、船頭が蹴り破った戸から外へ飛び出したので、船頭はその後を追った。もちろん、首を吊ろうとした若い妻は何がなんだかわからず、驚きのあまり昏倒した。こちら船頭、走りながらもう一つの母屋に方に「誰か起きろ!嫁が幽霊にとりつかれたぞ!」と叫び、かの女の幽霊を追い続けた。船頭の叫び声が聞こえたのか、この家の老いた夫婦ができ来て嫁の部屋に行き介護したという。さてこちら船頭、酒の勢いが残っていたのだろう。いくらかのおびえも見せず女の幽霊を追っかけ続ける。そして幽霊はかの渡し場に逃げてきたが、渡し舟の船頭がいない。また後ろに誰から追ってくる気配がしてので振り返ってみると、かの自分を舟で渡した船頭が追いかけてくる。ことのいきさつを悟った幽霊、それではと舌を長くたらし、口を大きく開け「ああー!」と船頭に襲いかかった。これには船頭、目の前に迫る恐ろしい見たこともない幽霊の顔にゾッとして思わず後ずさりするが、そのとき右手が腰にかけてあったひょうたんに部触れたので、何を思ったのかすばやく身を横に引くと、ひょうたんの酒をがぶ飲みにした。そして、二回目に幽霊が襲ってくるのを待って、幽霊の顔に酒臭い息を思い切り吹きかけた。するとどうしたことか幽霊は、船頭の吐いたつよい酒の匂いのする息を吸い込み、顔を顰めて後へ下がった。

 これを見た船頭、幽霊は酒の匂いが苦手だと悟り、酒の勢いを借りて幽霊の顔めがけて何度も怖い顔をしながら息を吹きかけた。とそのときに、夜明け告げる雄鶏の鳴き声が下かと思うと、幽霊はふと姿を消してしまった。これはいかんと思った船頭は、船倉にもどり、酔いと疲れのため、そのまま寝てしまったわい。そして昼前に起きて「あの幽霊はこの近くにいるにちがいない。今晩もでるにちがいない。よし、今晩は必ず退治してくれる」と決意し、飯を食ってまた寝た。そして夜をまっていつものところに舟を浮かべ、夜半まで待った。案の定、夜半に幽霊が現れ、また船で向こう岸まで渡してくれというので、酒をがぶりと飲み、前日より大きなひょうたんに酒をたっぷりいれて腰にかけ、布切れと火打ち石を懐にしまってから、幽霊を向かい岸に送った。幽霊はなんと前日と同じように舟を飛び下り、おかしな歩き方をして、今度は西のほうへ歩いていく。「今夜こそは!」と船頭が後をつけると、幽霊は墓場に来て、ある墓穴に入っていく。「なんだ?焼き殺してやる」と船頭は、幽霊が入っていった墓穴の前に来ると、先に酒をがぶがぶ飲んでから、懐から布切れを取り出し、酒をかけた後火打石でそれを燃やし、墓穴にほうりこんだ。すると、かの幽霊がすごい形相で出てきたので、船頭はまたも酒をがぶがぶ飲み、酒臭い息を思いっきり幽霊に吹きかけたので、幽霊はふらふらとよろめいた。そこで船頭、なんと酒の勢いで幽霊の手をつかみ、ひょうたんに残った酒を全部幽霊にぶっかけ火をつけて焼いた。こうして幽霊は恐ろしい叫び声を放ちながら、燃え尽きてしまった。こうして船頭、幽霊が焼き尽くされたのを見終えてから、酔いが回ったのか、その場に酔いつぶれたそうな。

 このときから、ここら一帯には首吊り幽霊は二度と出なくなったという。

 とまあ、以上のようなお話でした。日本の幽霊とは少し違うみたいですね。でも、酒の匂いを嫌う幽霊、それに酒を飲んだ後の船頭は怖いもの知らずなのには、この林涛も驚きました。

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