茅台酒は貴州省の茅台鎮で造られていたことから茅台酒と呼ばれました。なんでも、風が来てその匂いが漂い、近所の多くの家々の人がこれに酔い、雨が上がったあとに酒甕のふたを開けると、その香りは十里にいたるとまでいわれたそうです。
また、茅台酒をいれた杯や瓶は、数日経ってもその香りが残ることから、"空杯香る"、とか、"瓶瓶香る"、これはおかしいけど、まあ、そんなふうに言われました。そうですね。この林涛がはじめて茅台酒を飲んだのは、1975年ごろでしょうか?そのとき、先輩から、「これが中国の「国酒」といわれる酒だ。とても高いんだよ。でももらいものだ。林君遠慮なく飲んでくれ!」といわれ、なんか厳かな気持ちになりました。で、杯を取って匂いをかぎました。そしてまず最初は芳醇なかおりが第一印象。これが酒かと思ったぐらいでしたが、「さあ、いくぞ!」と飲みました。それも一気にね。口当たりはまろやかで、すぐのどを通っていきましたね。「これは、うまい。いくらでも飲めそうだ」と思いましたが、高級酒なのでそうはいきません。しかし、実をいうとお酒の香りがやや強いので、せっかくのオカズの味を忘れてしまいましたね。あの日のさかなはなんでしたっけ?何いってるんでしょうかね?この林涛は!なにしろ、初めて飲んだ日は、その味と香りが忘れられない日でした。ちょっと調べてみましたら、茅台酒は良質のコーリャンを原料とし、小麦で麹を作ってるんですね。造り方はかなり複雑で簡単には言えませんが、なにしろ、生産周期は9ヶ月だそうで、酒蔵などに少なくとも5年は寝かしてから飲めるといいます。このお酒は、紀元前135年、漢の武帝時代からあったといいます。その当時はなんと呼んだのでしょうかね。
その後、1784年、つまり清の乾隆49年にはかなり大きな工房ができたらしいです。そして5年後、華という人がこの酒を作った職人を呼んでから茅台酒の生産が再開されましたということです。茅台酒は高級酒ですから、金持ちだけがのんだといい、いまでは世界でもその名が知られています。アルコール度は高いものの、口当たりがとてもよく、まさに「中国の銘酒」の誉れにふさわしいですよね。
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