5月13日、中国少数民族の一つ、シボ(錫伯)族が「西遷節」を祝いました。今週と来週、二回にわたって、「西遷節」のこととお祝いの様子をご紹介いたします。
シボ(錫伯)族の人口は19万人近く、主に東北地方の遼寧省、吉林省、黒竜江省に住んでいますが、そのうち、3、4万人は北西の新彊ウイグル自治区イリの察布査爾シボ自治県とその周辺地区に暮らしています。
シボ族の祖先は、北方の少数民族、鮮卑人と言われ、当初は東北の大興安嶺辺りで遊牧生活を送っていました。1764年、清王朝が最盛期を迎えた乾隆帝の時代に、シボ族には大きな出来事がありました。その年、新彊の防備を強化するため、当時の盛京、今の瀋陽を警備するシボ族の兵士の中から、若くて弓と馬乗りに優れた者1016人が選ばれ、派遣されたのです。彼らは家族2000人余りを連れて、西へ西へ、1年4ヵ月かけて、イリにたどり着きました。
出発した日は、旧暦の4月18日ということで、その日を「西遷節」、西へ遷す記念日とされました。旧暦4月18日の二日前にあたる5月13日、北京にいるシボ族100人余りが新街口にある「金色の楼蘭」という名前のレストランに集まり、食事をしたり、歌ったり、踊ったりして「シーチェンジエ」を祝いました。
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春英先生と一緒に踊りましょう |
詩を読み上げる何麗珍さんと韓国綱さん |
日本からの留学生・児倉徳和さん |
私は取材で行っていましたが、とても楽しくて、何だか思わず仕事を忘れてしまうくらい一緒に楽しんでしまいました。
お祝いのため、吉林省長春から駆けつけた何麗珍さんは自分が作った詩を中央民族大学の韓国綱先生と一緒に読み上げました。
『……
太平寺というお寺の前に、人がたくさん集まってきた
これは出発前の最後の集まりだ。これきり故郷から遠く離れていく。
これは出発前の最後の祭りだ、これきり遠くイリへ。
これは最後の団欒の食事だ、これきり別れてあえなくなる。
……』
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